2019年08月26日
石井くるみの民泊最前線

市街化調整区域で住宅宿泊事業(民泊)は営業できるのか?(前編)

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カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連ビジネスの最新情報を紹介します。今回は市街地調整区域について考えます。(リビンマガジンBiz編集部)



画像=PIXABAY



市街化調整区域で住宅宿泊事業(民泊)は営業できるのか?


長野県の古民家を所有する方から、『古民家を活用して民泊を始めたい』という相談を受けました。田んぼと畑が広がる市街化調整区域内に建つ築190年の素敵な日本家屋です。都心では見かける機会が少ない市街化調整区域は、文字通り『市街化(=まちづくり)』を『調整(=抑制)』するエリアで、原則として住宅の建築や用途の変更などが厳しく制限されています(反対に、まちづくりを積極的に進めるエリアを『市街化区域』に線引きされています)。


店舗はもちろん、普通の住宅の建築すら制限を受ける市街化調整区域。はたして、『市街化調整区域』で、住宅宿泊事業(民泊)を営業することはできるのでしょうか?


結論からお話しすると、『市街化調整区域内』にある住宅には、住宅宿泊事業(民泊)を行うことが『できる住宅』と、『できない住宅』どちらのケースもあるので注意が必要です。


なぜ、住宅宿泊事業(民泊)の営業ができる住宅と、できない住宅があるのか?

その可否の見極めのポイントは?


答えは、その住宅が建てられた経緯に遡ります。


市街化調整区域内では、原則として住宅の建築や用途の変更などが厳しく制限されているので新しく建物を建てることはできません。しかし、中には、「例外的に特別な許可を受けて建築された住宅」があります。例えば、「農業を営む人が住むための住宅」などが該当します。このように、特定の人のみが住むことができる条件で建築され、居住者と建物がセットになっている住宅のことを「属人性がある住宅」とも言います。


(属人性がある住宅の例)

●農林漁業従事者のための住宅(農家住宅など) 

●世帯構成員等の住宅(分家住宅など)

●収用移転により建築された住宅(代替建築物)

●既存権利届により建築された住宅


これらの「属人性がある住宅」において、許可を受けた特定の権利がある人が住んでいない状態で、住宅宿泊事業(民泊)を営むことは、本来の目的とは異なる使われかたをしていることになり、都市計画法に違反することになります。具体的に住宅宿泊事業を行うことができるかどうかは、次のように判断されます。


(1) 属人性がない住宅の場合 → 営業可能。(都市計画法に基づく開発許可は不要)

(2) 属人性があり「家主居住型」の場合 → 営業可能。(都市計画法に基づく開発許可は不要)

(3) 属人性があり「家主不在型」の場合 → 営業不可。(ただし、やむを得ない事情がある場合はこの限りではない。)


まず(1)の「属人性がない住宅」は、居住者や用途の制限がありません。したがって、住宅宿泊事業(民泊)を営業することも自由です。


次に(2)の属人性があり、「家主居住型」の場合はどうでしょうか。この『家主居住型』とは、住宅宿泊事業法第11条第1項第2号に規定される、届出住宅に人を宿泊させている間、住宅宿泊事業者が居住していて、不在となるときがない場合を指します。いわゆる、ホームステイタイプの民泊をイメージすると良いでしょう。属人性がある住宅に、許可を受けた特定の権利を受けた人が居住を続けつつ、民泊を営業することは問題ありません。この場合、日常の買い物など、「生活を営む上で通常行われる行為に要する時間の範囲内の不在」は許容されています。不在になるときがないと言っても、まったく外出しないということは現実的に不可能ですから、それは常識の範囲内でとらえて問題ありません。


次のページ:どのように判断するのか

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