Withコロナの夏休みをどう過ごす?郊外型バケーションレンタル(民泊)が人気の兆し!

カピバラ好き行政書士 石井くるみさんが民泊を始めとした宿泊関連ビジネスの最新情報を紹介します。新型肺炎(新コロナウィルス)は宿泊ビジネスを破壊しています。コロナショックで急減速した旅行市場は、新しい旅行スタイルを模索しています。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=PIXABAY

観光庁が5月20日に発表した住宅宿泊事業(民泊)の2020年2~3月の延べ宿泊者数の実績は、前期(19年12月~20年1月)に比べて48.0%減であり、新型コロナ感染拡大による観光への影響は未だに続いていますが、アメリカを中心とした諸外国では、都市郊外のバケーションレンタル(別荘など住宅の一棟貸し)の新規予約が急速に回復しつつあります。

大手民泊仲介サイトのAirbnbとエクスペディア傘下のVrbo(旧ホームアウェイ)では、2020年5月17日における予約件数が208万件となり、予約数が最も少なかった4月5日との比較では127%の増加、3月初旬以降の予約数では、今年最高値になったということです。

世界のバケーションレンタル動向データによると、予約の多くは観光目的で、車でアクセスできるビーチやスキーリゾートの物件で需要が活発になっているということです。

予約の伸び率をマーケット別に比較すると、最も増加幅が大きかったのはニュージーランドで、5月18日の週と4月初旬を比較すると465%増です。

次いで予約増が顕著なのはドイツで同367%増。その他、米国、フランス、オーストラリアでも各200%前後の伸びを示しています(AirDNAの調査による)

米国の場合、アラバマ州、ジョージア州、テキサス州、南北カロライナ両州のビーチ近くにある物件で予約が増えており、欧州ではフランスのニースやマルセイユ、イタリアのナポリなどが人気となっています。

予約時期は秋の感謝祭や年末のクリスマス休暇での利用を目的とするもので、目前の夏季休暇の利用ではありませんが、未だに渡航規制やロックダウンが続く中、なぜ都市郊外のバケーションレンタルの予約が増えているのでしょうか?

  1. その背景として、次の理由が考えられます。
  • ①自粛疲れのストレス発散     …外出制限等による自粛疲れのストレスを発散させるため、長期休暇は久々に旅行に行きたいと思う傾向が強まっている。
  • ②海外旅行の選択肢が消滅     …新型コロナウイルスの影響で各国で入国制限が行われ飛行機の運行も制限されていることから、長期休暇は、近場の国内旅行を選択するしかない。
  • ③公共交通機関の利用が不要    …都市郊外のバケーションレンタルの施設までは、感染の懸念がある公共交通機関を利用せず、車で移動できる。
  • ④ソーシャル・ディスタンスの確保 …都市郊外バケーションレンタルは施設(建物)が独立しており、他者との接触を回避することができる。

このように、1棟貸しの民泊施設は、1つの建物内に複数の旅行者グループが滞在するホテルと比べてソーシャルディスタンスを保ちやすく、感染症予防の観点から好まれている様子がうかがえます。

「Afterコロナ」ではなく、新様式の生活様式へのシフトが求められる「Withコロナ」の時代において、ホテルや旅館といった不特定多数の宿泊者が出入りする従来型の宿泊施設よりもバケーションレンタルの方が優位と考えられます。

海外で見られるバケーションレンタル人気は、今後、日本でも拡大していくことでしょう。

これまで、日本のバケーションレンタル(民泊)は外国人旅行者の利用が中心でしたが、Withコロナを機に、日本人旅行者の間でもバケーションレンタルで休暇を楽しむことがが新しい生活様式

として定着していくのではないかと見ています。

もちろん、宿泊者が入替わる清掃時には、施設内の徹底的な清掃を行うことが不可欠であり、万一、宿泊者の中に病人が発生した場合の迅速な医療機関への連絡や、施設内の消毒などの対応を、

従来以上に綿密に検討しておくことが大切ですが、旅行産業が最悪の時期を脱し、明るい兆しが見えてきたのであれば嬉しいですね。

 
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