2017年2月3日、改正住宅セーフティーネット法案が閣議決定されました。

正式名称は「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」といいますが、長すぎてピンときませんよね。

どんな法案なのか、調べてみました。


▽もともとの法律は?

もとの法律は「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」で、2007年7月6日に公布、施行されました。

「住宅セーフティネット制度」と呼ばれるように、高齢者や障害者、子育て世帯、低所得者など住宅を確保しづらい状況にある人たちに賃貸住宅を提供するのが主な目的です。

公的賃貸住宅の供給の促進や、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を行うことが定められています。


▽今回の改正のねらい

これから住宅確保要配慮者は増え続けると考えられます。

単身高齢者だけでも、今後10年で100万世帯の増加が見込まれるのだそうです。

一方で、受け入れ先となる住宅ストックが足りないという問題点があります。

そこで目を付けたのが、増え続ける空き家です。

空き家を有効活用して、住宅確保要配慮者の住まいを確保しようというのが今回の改正のねらいです。

▽主な改正内容

主な改正内容は3点です。

(1)地方公共団体による住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の供給促進計画の策定

国の基本方針に加え、地方公共団体が計画を策定することで、地域の住宅事情に合った施策が期待できます。

(2)住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度 

要配慮者を受け入れる賃貸住宅を都道府県に登録する制度が創設されます。

登録住宅の改修費は住宅金融支援機構の融資対象となるため、空き家の改修が促進されそうです。

(3)住宅確保要配慮者の入居円滑化

NPOなどの居住支援法人を都道府県が指定します。

指定された居住支援法人は、情報提供や入居相談などの援助を行い、入居を円滑に進める役割を持ちます。

居住支援法人が家賃債務保証も実施することで、賃貸人の家賃回収への不安も解消されるでしょう。

以上、改正住宅セーフティーネット法案についてご説明しました。

法案のねらいどおり空き家の活用が進み、住宅確保要配慮者に住まいが行きわたるのかどうか、今後の動きに注目です。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ