前回に続き、今回で2回目(本年最後)のコラムとなります^^

さて今回は、中国籍のAさんのお話。彼は、「経営者になる」ためのビザ申請をしたいというご要望で、司法書士さんのご紹介で僕の事務所を訪れたのでした。そこで僕は、これからの国際社会で現実に起こるであろう1つの課題に直面したのです。








ちょっと堅い話になるけれど、日本は「規制国家」。

保育園1つ作るにしても、旅館をつくるにしても、いわゆる「施設基準」というものが定められています。簡単にいえば、「こういう施設(物件)じゃないと、許可をださないよ(やらせないよ)!」というもの。

建築基準法とか都市計画法とか消防法とか、本当に細かい細かい。ご多分に漏れず、外国人が日本で経営者になる場合にも、その条件として、やはり「施設」に関する基準が定められています。

僕は、Aさんに「事業に使うオフィスはもう決まっていますか?」と聞いたら、彼は「決まっている」と答えた。続けて、「賃貸ですか?所有ですか?」と尋ねたら、「所有だ。マンションの一室だ」という。僕の事務所を訪れる経営者ビザのご相談者は賃貸オフィスの人が多いから、珍しいなと思った。

そこで、僕たちとしては、登記簿謄本やマンションの管理組合規約などを確認しなければならない。なんといっても、第一に「書面主義」だからだ。どんなに口頭で契約が成立していても、書面がなければ実際の手続きは進まない。

そこには、こんな風に書いてあった。

※必要項目だけ抜粋(イメージ)

(用途)居住用  


(所有者) B  

(管理組合規約の条項)本物件は、居住用とする。事業その他の用途には使用できない。

あれ?ツッコミどころはいっぱいあるけど、そもそも、Bさんって、誰??
Aさんによれば、Bさんとは旧来の友人で、Aさんが起業するにあたって、物件を使わせてくれるという約束になったという。けれども実際の手続きでは「書面審査」だから、「Bさんが所有している物件をAさんが借りているなど使用権限があること」を書面で示さなければならない。





そんなのないよ。なくても(2人の信頼関係だから)大丈夫だよ。





「(そーゆー問題じゃねーんです・・・)」という心の叫びはいったんおいておいて、実は外国人に限らず、こういうケースはよくあったりする。

ちょうどこの頃、外国人が都内の高層マンションを購入してグループをつくり、ゴミは捨てるは、夜な夜な騒ぐはで、近隣住民とのトラブルが増えているというニュースが多くなってきた時期だった。まさに僕も、目の前で、その現実の一端に直面していたんです。




このあと、僕はもっとすごい現状に遭遇することになる。





(第3回につづく)

 
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