三菱東京UFJ銀行と三井住友信託銀行・みずほ銀行の大手3社は、2017年1月から住宅ローンの主力である10年固定型の最優遇金利を引き上げることを正式に発表しました。この背景にはどんな要因があるのでしょうか?また、今後の住宅ローン金利はどのような傾向がみられるのでしょうか?

引き上げ要因は?

最も大きな要因は、2016年の米国大統領選挙にて当選したトランプ次期大統領が掲げる景気・経済刺激政策への期待感などから米国金利が上昇したことが考えられます。これを受けて日本でも株価が上がり国債が売られやすくなり、そして長期金利が上昇傾向になりました。

2016年は過去最低金利を更新した1年

2016年の住宅ローン金利の動向で一番印象に残っているフレーズといえば「過去最低金利の更新」かと思います。【フラット35】の金利動向を例に取り上げますと、2016年5月では借入期間:15~20年の金利は『0.96%』。ついに1%を切ってしまったことには、とても印象強く残っているニュースの一つかと思います。また7月には借入期間:21~35年においても『0.93%』と、大台の1%を切ってしまいました。更に翌月8月には『0.90%』と史上最低金利を更新してしまったことは、ニュースでも大きく取り上げられていました。

2017年はどうなる?

そして気になって来るのが、果たして今後の動向はどうなるのか?ですよね。一見、これまでずっと下げ続けてきた住宅ローン金利ですが、ついに2016年に底を打ったような印象を受けます。ということは、2017年は上昇していく年となるのでしょうか?

まず、日本の経済動向から考査してみましょう。日本国内においては、残念ながら急速に景気が上向き、金利などが大きく上昇する要因はほとんどないかと思われます。従って、住宅ローン金利に関しても急激な上昇はおそらくないであろうと思われます。ただし、2020年には東京で開催される東京オリンピック・パラリンピックを控えています。すでに首都圏に限らず地方にまでも、建築資材や人件費の高騰を要因とした住宅購入価格の値上がりが広がっています。2017年は、この影響がより顕著になるであろうと考えられます。

そして気になるのが世界の経済動向。特に、日本経済へ大きな影響力を持つアメリカの動向が気になります。2016年12月に米連邦準備理事会(FRB)がついに利上げを行ったことは記憶に新しいかと思います。これは、2015年12月のゼロ金利政策解除以来、ちょうど1年ぶりの利上げです。市場関係者の間では、2017年の内に3回の利上げがされるのではないかと予想されています。もし現実となれば、日本の長期金利が上昇することが考えられます。それと連動し、住宅ローン金利が上昇する要因となるかもしれません。

今後の傾向には注視が必要

マイホームの購入を検討している人はもちろんのこと、不動産の売却を検討している人も、今後の住宅ローン金利の動向を注視しながら慎重に判断してください。

 
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