「残される実家をどうすればいい?」

私は転勤族の妻で、全国を点々としています。この生活は主人が退職するまで続くものと思われます。しかし、最近遠く離れた地方に住む1人残された母の具合がおもわしくありません。母は自分がいなくなったあとの家がどうなるのかを心配しているようです。相続人は兄弟がいないため私1人なのですが、その家に住むつもりはありません。将来的には賃貸もしくは売却を考えています。その前に、相続する必要があると思うのですが、相続税が高いと聞くので築年数の経った古い家を相続しても税金の方が高くなるのではないかと心配です。そこで、生前贈与という方法を考えているのですが、これは一体どういったものなのでしょうか。

生前贈与とは
平成25年に税制が変わり、生前贈与のメリットが大きくなるとともに、相続税の負担が大きくなりました。そのこともあり、最近では生前贈与の形をとる方が増えています。これは高齢者が保有する財産を、早い時期に若い世代に移転させるための政策です。
生前贈与とは、贈与する人が生きてるうちに相続人に財産を贈与するもので、一般贈与相続時精算課税制度といわれるものがあります。

贈与する側の対象が65歳から60歳に引き下げられ、贈与を受ける側の対象は子供だけでなく、20歳以上の孫にまで拡大されました。

一般贈与
一般贈与とは、1年を区切りに毎年少しずつ贈与していくもので、贈与を受ける人一人当たり、年間110万円の基礎控除が設けられています。そのため、この基礎控除をうまく利用する必要があります。
一般贈与は、1人あたりの基礎控除で考えるため、贈与を受ける側が多くいた方がメリットがあります。
例えば4人に対して毎年110万円ずつ10年間贈与した場合4400万円の財産を生前に渡すことができ、贈与税は0円となります。
またその分相続財産が減少することになるため、残された財産を相続する際の相続税も減ることになります。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、2500万円までの贈与には贈与税がかからないというもので、これを超える部分については20%の贈与税を納めることになります。もし上記と同じ額の4400万円を相続時精算課税制度で贈与した場合は、1900万円に対し20%の贈与税がかかるため380万円の贈与税が必要となります。

このように生前贈与といっても、その方法によって支払うべき税金が変わってくるので注意が必要です。慌てて生前贈与するのではなく、早いうちから少しずつ計画的に贈与していくことが理想的です。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ