前回は、「不動産売却サイトの有効な使い方、実家の相続税対策編その2」と題し、実家の相続税額の計算に便利なサイトをお伝えしました。今回はシリーズの最後、「不動産売却サイトの有効な使い方、実家の相続税対策編その3事前編」というテーマでお話してまいります。

 

 

必要以上の相続税対策

前々回、前回と相続税基礎控除額の引き下げによる増税と実家の相続発生時における不動産の売却の考え方をお伝えしてまいりました。

では、実際相続が発生する、または発生しそうだと認識している方が、どのような対策をとっているのでしょうか。少し古い記事で恐縮ですが、2016年10月17日付けの日経新聞の記事によりますと、相続や生前贈与について積極的に情報収集する人が増える一方で、聞きかじりの知識で相続対策に乗り出す人もいるようで、中には相続税のことを必要以上に不安がり、いろいろな方策を考えすぎて、かえって逆効果となる対策をとってしまう例が散見されるようです。

最近はマイナス金利で収益機会が乏しくなった金融機関が利益拡大を狙い、借り入れを伴うアパート経営や賃貸ビル経営を積極的に勧める例が目立ちます。特に土地をお持ちの場合、賃貸経営を始めるにあたっては、その土地の特性をしっかりと把握し、実際に賃貸経営として成り立つのかじっくり見極める必要があります。

聞きかじりの知識に基づく対策で思わぬ失敗をしないためには、相続の取り扱い実績が多い税理士に相談してみるのも一つの方法でもあります。

 

被相続人、相続人のライフプラン

また、相続対策の具体例として一番多かったのが、生前贈与で、年間110万円までの暦年贈与を使うケースです。

相続ではなく、被相続人が生きている間に財産を移転することは可能です。子供の生存中、孫は相続人にならないため、その場合、贈与という形で遺産を移転するわけです。

その詳しい移転の方法は、色々ありますが、気をつけなくてはならないところは、その相続財産の移転によって、被相続人の生活が脅かされてしまっては、本末転倒だ、ということです。

無理な財産移転をすることによって、被相続人のエンディングライフプランが厳しいものになってもいけませんし、また生前に遺産を移転するに当たり、相続人のライフプランにそぐわないものを移しても意味がありません。

成功する相続の第一歩は、被相続人、相続人のライフプランを作成することから始まります。

例えば、「年をとってからかかる医療費が手元にある預貯金でまかなえるのか、平均的に自分の年齢では、いくらぐらいの医療費がかかるのだろう」ということが分れば、前もってその分を保持しておく必要があります。

また、「施設に入ることを考えると、いったいいくらかかるのだろうか、その種類はどんなものがあるのか?」 このような予測と準備をしていれば、将来ずっと安心して生活して行けるでしょう。

これが、被相続人のエンディングライフプランです。エンディングプランを作成するためにも、実家の路線価と売却する場合の金額を、不動産売却サイトを使って事前に調べておくと、いざというとき戸惑うことがなくなります。

早めの対策が相続税で損しないコツです。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ