不動産鑑定評価基準とはどのようなもの?

不動産鑑定評価基準というものがあります。これは不動産鑑定士が不動産を鑑定評価する際に基準とするべき項目をまとめたものであり、どの不動産鑑定士が物件を鑑定しても公平に評価が為されるよう定められたものです。この基準を準用しなければならないという法的な定めはありませんが、適正な鑑定評価を行うために常に利用すべきものとされ、諸所の項目について細かくまとめられています。実際の不動産売買の際にも、この基準が参考になる場合が多いと考えられるため、知識として覚えておくと良いでしょう。

不動産鑑定評価基準1 種別

不動産鑑定評価基準に掲げられる項目の一つに不動産の種別があります。これは不動産の用途に基づいて種別を区分するもので、以下の2項目にさらに細分化されます。

1.地域の種別

不動産は一定の利用目的を軸にまとまりのある地域、用途的地域を構成します。よって、この地域の種別は宅地地域・農地地域・林地域などに分類されます。

2.土地の種別

これは地域の種別に合わせて土地を分類するものであり、宅地・農地・林地・移行地・見込地などの区分が為されます。ここで注意すべきことは、「土地の種別は(実際の利用状況ではなく)あくまで1.の地域の種別に基づいて決定される」ということです。つまり、もし仮に現在は畑などとして利用されている土地であっても、地域の種別が宅地地域であれば当該土地は宅地として鑑定評価される、ということになります。

不動産鑑定評価基準2 類型

不動産の類型とは不動産の実際の利用状況と不動産にかかる権利関係に基づいて区分される評価基準です。

例えば、宅地の類型として

・更地……建物および利用を制限する権利関係の存在しない土地

・建付地……土地に建物が存在し、双方の所有権を同一人が有する土地

・底地……土地に貸借関係が存在し、借地権が付属する土地(およびその所有権)

などが挙げられます。また、建物や敷地の類型として

・借地権付建物……借地権に基づいて土地上に建物が存在する場合の、建物自体と借地権の区分

・貸家及びその敷地……土地に建物が存在し、双方の所有権を同一人が有するが、建物を貸借している場合の区分

などが挙げられます。

 
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