2016年10月11日
中沢 誠

お金をかけたほうが手取りが増えることもある

中沢 誠

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物件を売却するのであれば、できるだけ高く売りたいもの。そして、手取りを多くするためになるべく費用はかけたくない、というのが人情かと思います。


しかし、高く売るためには「先行投資」をしたほうが良い場合もある、というのが今回の話です。

(10年以上前の事例ですが、考え方は今でも参考になると思います。)



破綻した不動産会社があるマンションの100室(マンション全体のほぼ半数)を保有していました。以前はホテルとして営業していた物件ですが、その当時はほぼ全てが空室(しかも原状回復もしていない状態)となっていました。


この手の物件の場合、(1)空室のまま自己使用目的(マイホーム等)の顧客をターゲットとして売却する、(2)テナントをつけたうえで投資目的の顧客をターゲットとして売却する、の2つのシナリオが想定されますが、どちらのほうが高く売れるとは一概には言えず、物件の特性を見極めて戦略を立てる必要があります。


検討の結果、売主は「内装リフォームをしたうえでリースアップ(賃貸募集)を行い、入居率を高めてから収益物件として売却する」というシナリオで進めることにしました。


とはいえ、100室のテナントを見つけるというのは至難の業です。募集賃料を周りよりも安くすれば多少スピードを上げることもできるかもしれませんが、結局ダンピング競争になるだけであることは目に見えていました。


そこで、単なる内装リフォームではなく、デザイナーに色々なバリュエーションの内装プランを考えてもらい、「デザイナーマンション」として募集活動をしました。工事費用は通常の内装の2~3倍かかりましたが、あっという間に入居率を90%以上にまで高めることができ、かつ成約賃料は周辺相場よりも数千円アップすることができました。


ある部屋の賃料が相場の5万円から5万5000円にアップした場合(10%アップ)、年間収入は60万円から66万円と6万円アップすることになります。年間支出が15万円だとすると、年間の純収益は45万円から51万円に増えることになります。


投資家が収益不動産の購入を検討する際には、「年間純収益÷購入価格」で算出する利回り(ネット利回り)を指標の一つとしています。どの程度の利回りを要求するかは投資家によって異なるものの、エリア・築年数・間取り等である程度の相場は分かります。


利回りの相場が5%だとすると、相場賃料(5万円)で入居させた場合の売却価格は900万円(年間純収益45万円÷5%)であるところ、デザイナーマンションにすることで賃料をアップさせた場合(5万5000円)の売却価格は1020万円(年間純収益51万円÷5%)となり、390万円も高く売れることになります。逆に言えば、賃料を5000円アップできるとすれば、コストは120万円までかけてもトントンになるということです。


多額のリフォーム費用をかけることは一見損をするように見えますが、空室期間の短縮や賃料単価の向上につながれば、むしろ得になることがあるという事例でした。


もちろん、投資に見合ったリターンが得られるのかどうか、その見極めは決して簡単なことではありませんが、お金をかけたほうが手取りが多くなるケースもありますので、検討してみてはいかがでしょうか。

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