2017年01月10日
司法書士 成田尚志

購入後に住所などが変わっている場合は(売主の必要書類3)

司法書士 成田尚志

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司法書士の成田尚志です。
本年もよろしくお願いいたします。


なかなか終わりが見えてこない^^;売主の必要書類の続きです。
今回は④として挙げた「住民票(住所のつながりが取れるもの)」
について解説します。



最初にお断りしておきますが、権利書や印鑑証明書とは異なり、
住民票は売主さんが常に用意しなければならない書類ではありません。
といいますか原則不要です。


しかし、登記簿上の住所と現住所が異なる場合は、
売却による所有権移転登記の前に住所変更の登記をする必要がありますので、
ここでは「登記後に住所が変わっていた」という設定の下に、
その変更登記のために必要となる住民票を挙げておきました。
実際、必要になるケースがかなりありますので。



住所だけでなく氏名が変わっている場合もその変更登記が必要ですし、
法人が売主となる場合に商号や本店などが変わっている場合も同様です。


もしこれらの変更を見落として所有権移転の登記だけ申請してしまいますと
原則として申請をいったん取り下げなければならなくなりますので、
司法書士としてもこの点について最大級の注意を払う必要があります。



氏名の変更に関しては氏名変更に関する記述のある戸籍謄抄本と
本籍が記載された住民票の両方が必要です。
住民票も必要となるのは、住所しか記載されていない登記簿と
本籍しか記載されていない戸籍謄抄本の両者のつながりをつけるためです。


ですから、本籍が記載されていない住民票は使えません。
請求する際に「本籍入りで」と指定しないと記載を省略されますので
注意が必要です。


法人に関しては、変更の内容を登記所の職員は確認できますので、
変更を証する書類を添付する必要はありません。
(司法書士が事前準備のために有償で登記情報を取得する必要が
ありますので、その費用負担を求められる可能性はあります)




さて、住所を変更したのが1回で、住民票1通で簡単につながれば
何の問題もありませんが、登記をしてから長い年月が経過している場合など
何度も住所が変わっていると、かなり大変になることがあります。


A市に住所があったときに登記をし、その後A市→B市→C市と二度の
住所移転をしていたとします。
この場合はA市の住所までつながりをつける必要があるのですが、
C市役所で取った住民票には、C市の現住所とB市の前住所しか
記載されませんので、これでは足りません。


B市役所で「除かれた住民票(除住民票)」が取れるとよいのですが、
除住民票は最短たったの5年(自治体により多少異なります)
廃棄されてしまいますので、B市→C市の住所移転が5年以上前の話ですと
取れない可能性が高いです。



こうした場合は、本籍地で「戸籍の附票」というものを請求します。
戸籍の附票には、そこに本籍がある期間の住所の変遷が
すべて記載されますので、これで解決することはある程度期待できます。


しかし、住所と一緒に本籍も移した場合など、何らかの理由で
本籍も変わっていると、そこに本籍がなかった時代の住所は当然ながら
載ってきませんので、戸籍の附票でもつながらないということになります。



たとえば、A市からB市へ住所と本籍の両方を移転し、その後
住所のみC市へ移転した場合、B市役所で取れる戸籍の附票には
B市の住所とC市の住所しか載っていません。
もしC市に本籍も移していれば、そこで取れる戸籍の附票に載っているのは
C市の住所だけです。


そして戸籍の附票も、転籍等により除かれてしまえば、住民票と同じく
たちまち5年廃棄の憂き目に遭います。
転籍等をしなかったとしてもコンピュータ化などで戸籍が改製されることも
ままありますので、戸籍の附票もそう頼りにはならないのが実情です。



住所がつながらない最大の理由は、役所が除かれた住民票や戸籍の附票を
わずか5年で惜しげもなく廃棄してしまうことにあり、
使命をまるで果たしていない
その姿勢は非難されてしかるべきですが、

それをここで論じても仕方がありません。


では、こうした場合どうするか?
当然方法はありますが、既に長くなってしまいましたし、
この先はかなりマニアックな話になりますので、
いつか別の機会に書かせていただければということにして、
今回はここで終わり、次回は⑤の書類に移りたいと思います。



風邪が流行っているようです。
お体を大事にしてください。


それではまた。

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