2017年03月17日
司法書士 成田尚志

本人確認にまつわるあれこれ(売主の必要書類7)

司法書士 成田尚志

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司法書士の成田尚志です。
私は月の前半に1本、後半にも1本コラムを書くことにしていますが、
年度末で結構慌ただしい日々を過ごしており、今回はかなり遅くなって
しまいました^^;



さて、今回で最初に挙げた必要書類一覧の概説がめでたく終わります。
最後は⑦「有効期限内の本人確認資料1点(写真付き)または2点
(写真なし)」です。


こう書くとわかりづらいかもしれませんが、たとえば運転免許証のような
売主様ご本人であることを確認できる資料のことです。
「身分証明書」と言ってもいいでしょう。
運転免許証やパスポートなど写真付きのものは1点で足りますが、
保険証や年金手帳など写真のないものは2点必要です。

実物を提示していただいた上でコピーもいただきます。



いただいたコピーは前回までに取り上げてきたものとは異なり、
登記所には提出しません。
ではなぜ必要かと言いますと、なりすまし防止の意味で、
こういったものの提示を求めて売主本人であることを確認することが
司法書士会の会則で義務づけられているからです。


安全な取引と登記手続のためには本人確認と意思確認が欠かせません。
売却なら売却という「意思に間違いがないか」という確認は、
基本的に権利書と印鑑証明書で行います。
それに対して、「そもそも売主本人に間違いないか」という確認を
これらの資料でさせていただくわけです。



ですから、本来なら真っ先に挙げるべきなのかもしれませんが、
他の書類とは位置づけが異なりますし、立ち合いの場でも
いきなり「本人確認のために身分証明書を提示してください」とは
ちょっと言えませんのでw、ひととおり書類の確認が終わった後で
「今さらではありますが、一応念のために」という空気を出しつつ、
やんわりお願いするスタイルを私は取っており、それに合わせる形で
一覧でも最後に挙げています。


権利書も印鑑証明書も盗難や偽造の可能性はあります。
ご本人にしてみれば痛くない腹を探られるようで愉快ではないかも
しれませんが、逆に言えば、こういった手順もなしに権利書と
印鑑証明書だけで自分の不動産が知らないところで売られるかも
しれないという制度であったなら、それはそれでちょっと
不安ではないでしょうか?
ですから、煩わしいこととは思いますが、ご協力をお願いいたします^^



もっとも、偽造ということに関しては、こうした確認資料にも
同じことが言えます。
しかも、昨今は偽造の技術がとんでもなく上がっていますので、
正直コワイです^^;


ですから、本人確認資料を出してもらったからといって、
それに頼り切るのではなく、「本人にまず間違いないだろう」
と確信できるように一連の会話の中でさりげなく色々なことを
聞き出すことを心がけています。
身分証明書はその象徴として保管しておくという感じですね。



ところで、運転免許証があればそれで済みますが、
ご高齢の方は持っていないことが多く、そういう方はパスポートも
大抵お持ちではありません(私も20年以上前に切れて以来、
持ってませんが)。
そして、「保険証はあるけど年金手帳が見当たらない」と言われる
パターンが実に多いです^^;


そういう場合はどうするか?
高齢者は後期高齢者医療保険や介護保険など複数の保険証を
所持していることが多いので、まずはそれらを探してください。

それぞれ1点としてカウントできます。



それでも2点見つからなければ、少し前までは写真付きの住基カードを

作ることを勧めていましたが、制度が廃止されたため現在はその方法を

取ることができません。
個人番号カード(マイナンバーカード)がその代わりとなりますが、

これは発行までひと月ぐらいかかるようですので、
スケジュールによほど余裕がなければ使えません。


そして、最初にも書きましたが、
いずれも有効期限内であることが重要です。



尚、高齢になって車の運転を基本的にしなくなっても、身分証明書が
なくなってしまうのが不便だからと運転免許証を返納しない方も
いらっしゃるようですが、「運転経歴証明書(運転はできません)」も
運転免許証と同じく1点で足りる本人確認資料として使えますので、
高齢ドライバーの危険運転が社会問題化している昨今、更新の際などに
切り替えることを検討してみてもよいのではないでしょうか?



今回はここまでです。
だいぶ暖かくなってきましたね。
花粉症の方にはつらい季節かもしれませんが、お元気で。


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