2017年02月22日
西山 広高

不動産売買の前に知っておきたい不動産仲介の仕組み

西山 広高

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定着する大手不動産業者の優位性


以前は不動産屋さんの店舗が駅前にあって、地元に密着した情報を持っていて、不動産を売買するときはまずその不動産屋に相談に行く、というケースが多かったと思います。


最近は大手の不動産業者がテレビCMや、新聞の折込みチラシ、ポスティング広告をしていたりするのをよく見かけます。大手不動産業者は小さな業者では全く太刀打ちできないほどの広告費をかけ、認知度を高めています。


コマーシャルなどで見たり聞いたりしたことのある会社は信頼できるような気がするという人間心理も働いているでしょう。実際、大手不動産仲介業者の業績は好調です。


ネットの定着による不動産購入、売却の行動の変化


ネットの浸透とともに不動産業者もホームページでのPRが不可欠になりました。購入する場合にはネットでどんな物件が市場に出ているか探せるようになり、売却する場合にはネット査定などにより物件価格の査定ができるようになりました。


今は不動産売買をしようとする人の多くがまずはネットで情報収集し、ある程度方向性が決まってから店舗に行くようになりました


しかし、購入・売却を検討している人が情報収集を進めるうえで、この流れの変化にはメリットだけでなくデメリットもあると思います。


不動産取引の仕組み


不動産仲介業者は、不動産を売却したい人と、不動産を購入したい人の間に入り取引を仲介します。不動産業者は売り手、買い手それぞれから3%+6万円(+消費税)を超えて手数料を受領することはできません。


不動産の売り手の多くは「高く売りたい」と考え、不動産の買い手はできるだけリーズナブルな価格で買いたいと考えるでしょう。

最近、不動産仲介における「両手取引」は問題ではないか、という声が上がっています。「両手取引」というのは1社の不動産業者が売主と買主の双方から仲介手数料を受領する取引のことです。


本来、売主から物件の売却を依頼された業者は売主の希望に沿った形で売却できるように考えるべきですし、買主から物件探しを依頼された業者は買主の希望を少しでも高いレベルで満たせるように努力すべきです。


従来から日本では「両手取引」も慣習として行われてきていて、現在も禁止されているわけではありません。しかしながら、高く売りたい人と安く買いたい人の間に仲介業者が1社だけ入る場合には、双方の利益が相反しますのでどちらかに偏る可能性が高くなります。


両手取引とは


例えば、手数料の金額の上限は物件価格から算出されます。ということは、物件価格が高いほうが仲介業者は受領できる手数料額も高くなり、高く売りたい売主側に偏った取引を進める可能性があります。


一方、仲介業者の多くの営業マン、あるいは営業所には「ノルマ」や「目標」があり、仲介件数や、仲介手数料額で設定しています。


仲介業者は売買が成立しなければ手数料を受領できません。売主が「時間をかけてじっくり売りたい」と考えていたとしても、値段を下げれば買う人がいる時には早く売買を成立させたいと思うのが仲介業者です。この場合には早く決めたい思いから買主側に偏った取引を主導する可能性があります。

しかもこの取引で業者は売主、買主双方から手数料を受領でき、6%+12万円を上限とする手数料を受領できるのです。

大手不動産業者は多額の広告宣伝費をかけ、物件の売却の相談を集めることに注力しています。大手が扱う取引では「両手取引」がかなりの割合を占めていると言われています。


「両手取引」は効率よく業者が手数料を手にできる仕組みですが、利益相反する2者の間に入って仲介することに問題がありそうなのは容易に想像できます。(ちなみに、アメリカでは両手取引は禁止されています。)


不動産査定の注意点


不動産業者の「あなたの不動産を無料で査定します」と書かれたチラシを目にすることも多いと思います。ネットで査定するサイトもあります。しかし、この「査定金額」には注意が必要です。


まず、「査定価格」と「売却価格」は違います。不動産価格は売り手と買い手の価格や条件が折り合って初めて売買が成立します。査定価格はあくまでも周辺の取引事例などと、その土地の条件などから想定される予想価格です。


複数の業者に価格査定を依頼し、各社から出てくる金額には差があります。この時点で少しでも高い金額を提示した会社と媒介契約を結ぼうと考えるのは危険です。この金額で売れる保証は全くありません。しばらく市場に出し、買い手がつかないと価格を下げさせてほしいと言われることになるでしょう。


また、不動産は実際に現地を見、いろいろな調査を行わないと詳細な査定はできません。FAXやネットで査定を依頼し、1日も経たずに帰ってくる査定はあくまでも「簡易査定」であり、その金額には業者の「媒介契約を取りたい」という思いが乗っています。


不動産取引は現地を見ることから始まる


本当に誠実に売主、あるいは買主のことを考えてくれる不動産屋さんは自分で探したほうが良いと思います。 


ネットで情報収集が主流になった今でも、物件は見なければわかりません。査定をする業者はもちろん、購入しようとする人も一度も物件に足を運ばないということはないと思いますが、簡易査定の段階では現地を見てもいない業者がいます。


不動産仲介業の仕組みを知ったうえで、本当にあなたの不動産取引を親身になって考えてくれる不動産業者を探すことが大切です。

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