サマージャンボ宝くじが8月10日まで販売されている。当選金額は1等前後賞合わせて最大7億円だ。この当選金、平成11年のドリームジャンボが3億円、平成24年のサマージャンボで5億円と、年々増額されている。1億・2億円なら、発想が貧困な編集部メンバーでもなんとなく想像ができる(できないかもしれないが)。


しかし、7億円となると次元が違う。もし7億円が当たったら…。という夢とともに、プロならどういった使い方・資産活用法をすすめるのかを、西山ライフデザイン 西山広高代表に聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)


サマージャンボ宝くじに長蛇の列が伸びる@西銀座チャンスセンター (撮影=リビンマガジンBiz編集部)

先日発売になったサマージャンボ宝くじは1等前後賞あわせて7億円。購入する人はきっと「当たったらこんな生活がしたい!」という夢を宝くじに託すことと思います。

当たった後のことを考えるのは「捕らぬ狸の皮算用」「鬼が笑う」のでしょうが、実際に当たった後に不幸になる人が多いのもよく聞く話。当選した時のシミュレーションもしておいたほうが良さそうです。
お金の使い方だけではなく、情報、メンタルの管理や贈与税、遺言書の作成などやらなければいけないこと、やっておくべきこと、知っておくべきこと、心構えについて考えます。

1等前後賞合わせて7億円に当選、さあどうする

まず、金融機関で当選金を受け取る前にしておくべきことがあります。

■みんなで買った宝くじ、この当選券は誰のもの?

グループで宝くじを購入される方も多いと思います。購入した宝くじが当選した場合、当選金を受け取る前に共同で購入したメンバーで話し合い、分配の仕方を確認しておくべきです。
できれば全員で当選番号の確認を行い、全員で金融機関に受け取りに行くほうが良いでしょう。もし一人で受け取りに行き、後にメンバーに分配する場合には贈与となり、贈与税がかかることになります。
金融機関で受け取る際にメンバー全員の名前を記入した「当選証明書」の発行を依頼します。受け取りの際にメンバーが全員揃わない時には委任状を預かっておく必要があります。

■当選したことを誰に伝えるのか決めておく

当選したことを人に話すと、噂が広まることも覚悟しておきましょう。財産のある人にはさまざまな投資話が持ちかけられます。誰かに狙われているのではないかと不安になる方も少なくないようです。
当選直後は慌てず、興奮状態であることを自覚し、神経質になりすぎず、冷静に「伝えるべき人は誰か」を考えましょう。
結婚されている方は配偶者には伝えておくべきです。ご結婚されていない方も最も近い身内の方にはお話しされたほうが良いでしょう。一人で秘密にするよりも信頼できる相談相手がいる方が安心できると思います。

当選金を受け取った後は?

使い道は人それぞれです。しかし、「これだけは考えておかなければいけない」ということがあります。

・何に使うか、その優先順位を決めること

・長期的なスケジュールを立てること(保有する、新たなことを始めることでかかるランニングコストに注意)

自宅や別荘、クルーザー、高級外車などを購入しようと考える場合、後にかかるコストも考えなければいけません。保有しているだけで税金や管理費用がかかります。また、収入が増えるわけではありません。大豪邸に住めば維持費や税金も高くなり、所有者が亡くなった場合、残された人には多額の相続税がかかることにもなります。

「事業を起こす」や「会社を辞める」は熟考すること

当選した方が事業計画をお持ちで、当選を機にそれを実行するのは一つの使い方だと思います。しかし、あまり深く事業計画を考えずに立ち上げる事業は早晩行き詰まります。事業を継続するためにもコストがかかります。
また、宝くじの当選を機に会社を辞めようと考える人も多いです。例えば、定年間近ですでに老後資金の計画ができている人ならば良いです。しかし、まだまだ働き盛りの若い人にはよほど将来のことを計画的にお考えでない限りおすすめしません。

サマージャンボ宝くじ (撮影=リビンマガジンBiz編集部)

もし私が宝くじに当選したらこんな使い方をすると思います

では、不動産に強いFPである私がもし宝くじに当選したらどんな使い方をするか考えてみました。
私の場合、使い道のテーマは「一生にわたりワンランク上の生活を送ること」になります。
当選金額7億円の使い道

・ローンの返済=現在支払っている金利負担をなくす。

・投資用不動産の購入(2~3億円)…家賃収入を得られるようにすることで、今あるキャッシュを将来にわたって分割して得られる資産に変換します。ここから得られる収入が、ワンランク上の生活のための原資。かつ相続税評価額が下がることで次世代にも残すことができます。宝くじで得た資金が原資とはいえ、物件選びは冷静・慎重に行います。

・金融商品への投資、預金(2~3億円)…相続税の支払い原資として次世代のために円建ての資産を確保しておくとともに、インフレにも強い資産(株式や外国債券などの外貨建て商品、金など)へも分散投資します。流動化しやすい資産として保有することで急な出費への備えにも対応できます。

・残金は自然保護団体、被災地などへの寄付…偽善的だと思われるかもしれませんが、自分の幸せにとっても重要なことだと思います。すべて自分だけで使おうとするよりも、誰かに感謝される使い方も織り交ぜることで、満足感や余裕が生まれると考えています。

遺言書の作成

大きな財産がなくても揉めることのある遺産分割ですが、多額の財産があればなおさらです。揉め事にならないよう「遺言書」を作成しておくことをおすすめします。
宝くじに当選してしまったばかりに、自分だけでなく家族まで財産トラブルに巻き込まないようにするために必要なことです。

贈与税について

グループ購入した場合に手続きによっては贈与税がかかってしまう、と先述しました。これは、家族に贈与する場合も税がかかるので注意が必要です。例えば、奥さんに日頃の感謝の気持ちを込めて「1億円プレゼント」すると、翌年確定申告時に贈与税の申告が必要になります。

1億円の贈与に対する贈与税は
(1億円-基礎控除110万円)×税率55%-控除額400万円=5,039.5万円
半分以上税金で支払うことになります。

自分以外の第三者にも分ける場合は、換金するときに共同で購入したこととして、銀行で当選証明書の発行を受けるべきでしょう。

まとめ

高額当選をすると換金する際、「その日から読む本」という冊子が配布されるそうです。この冊子は、宝くじの高額当選者がその後不幸になるケースが後を絶たないため、2001年(平成13年)から配布されるようになったものです。
大金を手にしてしまったがために詐欺などの被害にあったり、財産トラブルに巻き込まれ、痛ましい殺人事件が起きてしまったこともあります。
この冊子は、弁護士やファイナンシャルプランナー、臨床心理士の意見も取り入れて
・「今すぐやっておきたいこと、やってはいけないこと」
・「落ち着いてから考えること」
・「当面の使いみちが決まったら考えること」
の3部構成で当選した際に「考えるべきこと」、が順に書かれているそうです。

ところでジャンボ宝くじの当選確率って?

最後に。宝くじの1等当選確率は1,000万分の1です。なかなか実感が湧かないと思いますが、お米1㎏で約50,000粒程度らしいので、200㎏のお米のうちの1粒の確率です。100枚買ってもお米2kgの中から1粒の確立です。
これじゃ買うのは馬鹿らしいと思う人もいるでしょう。しかし、買わなければ絶対に当たることもありません。さあ、あなたも買ってから当選後のことまでシミュレーションしてみませんか?

当たりますように。

 
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