2017年03月31日
大塚 英司

債務を控除したらマイナスになった場合の相続税の計算

大塚 英司

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こんにちは、税理士法人トゥモローズの税理士の大塚です。


相続税申告のお手伝いをしているとお客様から、我々専門家では思いもつかないようなご要望を頂戴することがあります。

今回はお客様から頂いたご要望の一つを紹介します。


案件の概要は下記のとおりです。

・被相続人 父

・相続人 母、長男

・相続財産 約5億円

・借入金 約1億円

このお客様のご要望は、今回の相続税だけでなくお母様の相続税(二次相続)も踏まえて全体として相続税が安くなるようにとのことでした。

お母様の財産のお父様の財産の数倍以上あって、不動産の賃貸収入もお父様以上にあります。

したがって、今回の相続ではお母様が何も相続しない方が原則として有利となります。


そこで、ご長男からのご要望が、母に借入金の1億円だけ相続させることはできないか?

ということでした。

確かに、税率の高い二次相続の財産を圧縮させるためにはお母様に1億円の負債を付け替えたほうが二次相続だけ考えたら特になるかもしれません。


ご長男としては、全体として純財産4億というのは変わらないと思い込んでいたみたいです。


実際にお母様が借入金1億だけを相続した場合の計算をしてみましょう?

相続税の計算は、まず相続人ごとに相続財産、債務を計算していきます。

母:▲1億円

長男:5億円

その後、相続人ごとに計算した相続財産、債務を合計します。

母及び長男:4億円?

ここで間違いが発生してしまいます。

母のマイナス1億円と長男の5億円は相殺できないのです。

すなわち、お母様の引き継いだ借入金1億円は切り捨てられて、父の相続財産は5億円となってしまうのです。


これだと1次相続の相続税が普通に計算する以上にかかってしまうので本末転倒です。


また、借入金などの債務は遺産分割の対象ではないと考えられています。

すなわち、相続開始ともに自動的に法定相続分で分配されるものと考えられているのです。

本件の場合には、借入金1億円については遺産分割の余地がなく、母5,000万円、長男5,000万円と負担するのが正式なやり方です。

なお、実務上は、借り入れしている金融機関的に問題がなければ法定相続分以外の割合で借入金を負担することも多々ありますが。。。

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