2017年02月26日
尾崎信夫

家族信託の事例1-⑥認知症になっても相続対策を止めない家族信託

尾崎信夫

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  司法書士・家族信託専門士の尾崎信夫です。今回も「認知症になっても」の家族信託契約書についての最後です。


(山田家相続関係事例)





第10条からの続きです。


10 信託の変更

 信託契約は、受益者と受託者の合意によって「信託契約」を変更できます。

もちろん委託者(父朗)の想いを実現のため主要な部分には、「第〇条は、変更することができない」と定めることもできます。


第10条(契約の変更)

 本信託契約は、別段の定めがある場合を除いて、受益者と受託者の合意によって変更することができる。 


11 信託の計算と報告義務

 家族信託の場合、受託者は年度を決めて一年間の収支を計算し、受益者に報告する義務があります。個人が受益者の場合は、確定申告の関係で1月1日~12月31日を年度計算にします。


第11条 (信託の計算及び受益者への報告)


 信託の計算及び受益者への報告は、次のとおりとする。

 (1)信託財産に関する計算期日は、毎年1月1日から同年12月31日までとし、受託者は信託財産に関する帳簿等を・・・

 (2)受託者は、受益者から信託に関する事項の報告を受益者から受けた時は、速やかに報告する。


12 信託の終了

   家族信託も委託者の想いや目的が実現できたときは、信託契約を終了します。

事案によっては、信託契約の終了を具体的には決めず、受益者と受託者の合意によってのみ終了させる場合もありますが、今回は孫太郎が亡くなってその男子の後継者(いわゆる家兄相続)に引き継ぐ契約としています。


第12条 (信託の終了)

本信託契約は、次の場合終了する。

(1)山田父朗、山田子太郎及び山田孫太郎の全員が死亡したとき。

(2)受益者と受託者が合意したとき。

(3)その他信託法に定める事由が生じた時(信託法164条1項の場合を

  除く)


13 信託終了後の残余財産の帰属先


 信託契約が終了したときは、その信託財産は個々の財産(所有権)になり、その帰属先の所有物になります。信託契約の最も難しいところです。ここで失敗すると予想外の贈与税がかかることもあるので要注意です。今回は、父朗→子太郎→孫太郎と受益権が承継されて、この三人全員の死亡によって信託終了する事案です。また、年齢順に死亡するとは限らず、また、信託の強制終了になっても良ようにしておきます。信託契約書の一例として書いておきます。



  

 第13条(信託終了時の財産の帰属)

 1 本信託終了後の残余財産の帰属先は次のとおりとする。

 (1)前条1号で終了した場合は次のとおりとする。

 ①孫太郎に直系卑属(子や孫)がいた場合は、その直系卑属の男子で一番高齢な者に全て帰属させ、男子がいない場合は、直系卑属に帰属させ、帰属権利者間の協議により具体的な帰属先を決定する。ただし、山田孫太郎の遺言がある場合は、遺言によって決定する。

   ②孫太郎に直系卑属がいない場合は、山田孫次郎とし、その時孫次郎が既に死亡していた場合は、孫次郎の直系卑属に帰属させ、帰属権利者間の協議により具体的な帰属先を決定する。ただし、孫次郎の遺言がある場合は、遺言によって決定する。

 (2)前条1号以外の理由で終了した時は、本信託契約終了時の受益者とする。


今回で家族信託契約書は最後です。難しかったかもしれませんが、ありがとうございました。

次回からは事例で家族信託のスキームとメリットを書きたいと思います。




  


 





  








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