不動産関連のサービス業を行っている22社(※)を対象に、営業利益率をランキング形式で紹介します。営業利益率は事業本来の収益力を計る指標です。以前公開した「不動産関連サービス業 売上成長率ランキング」では、前年と比べ不動産関連サービス業全体が大きく売上を伸ばしていることが分かりました。では、営業利益率が高い企業はどこなのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)

※注:編集部基準

(画像=Pixabay)

1位は営業利益率78%!業界全体平均16%


1位は、独立系信用保証大手の全国保証、売上359億円1,800万円に対して営業利益が281億3,900万円、営業利益率は78%でした。同社は住宅ローンの保証を主力事業としています。高い営業利益率の要因は2つあります。1つ目は、近年の住宅ローン借り換えブームの影響で首都圏の案件が増え、保証金額が上昇したことです。2つ目は、代位弁済(債務者に代わって債務を弁済すること)が低調に推移したことが要因です。

2位のファーストロジックは、投資用物件掲載数国内首位の不動産サイト「楽待」を運営しています。売上17億9,500万円に対し、営業利益8億3,900万円で47%でした。メールマガジンの効果的な運営や、不動産投資オウンドメディア「楽待新聞」にてコンテンツを配信し、広告に頼らない集客方法によって高い営業利益を実現しています。

3位は不動産ファンドを運営するケネディクスでした。売上227億に対し営業利益は95億3,000万円で、42%でした。同社は資産運用のフィー収入や、不動産投資益が順調に伸びたことにより、高い営業利益を出しています。

1位から22位はこちら

差がある「不動産ネットメディア」 その要因は広告宣伝費と人件費


今回のランキングでは、上位・中間・下位に不動産ネットメディア事業がメインの企業が位置していることが分かります。

不動産ネットメディアの営業利益率の平均目安は15%前後と言われています。20%以上で好調、10%以下になると低い印象です。営業利益に大きく影響しているのが広告宣伝費と人件費です。ネットメディアは広告により利用者の集客を行うため、広告宣伝費が高い傾向にあります。また、業界では開発やエンジニアなどの人手不足が慢性的で、人材確保のため人件費に大きなウェイトを占めています。

2位のファーストロジックや4位のじげんは、広告宣伝費や給与手当が他のネットメディア企業と比べて低い傾向がありました。

・ファーストロジック

売上に対する広告宣伝費率:18.3%

売上に対する給与手当率:2.7%

・じげん

売上に対する広告宣伝費率:24%

売上に対する給与手当率:12%

特に、ファーストロジックは社員数45人という少人数でありながら、売上が高いため営業利益率に大きく貢献しています。

一方、9位のLIFULLや11位のリブセンスは、広告宣伝費・人件費のどちらかが大きく売上を圧迫していることが分かります。

・LIFULL

売上に対する広告宣伝費率:36%

売上に対する給与手当率:11%

・リブセンス

売上に対する広告宣伝費率:21%

売上に対する給与手当率:29%

最下位のオウチーノは広告宣伝費率18%、給与手当率17%と低い水準でありながら、メインの不動産ポータルサイトの不振により、赤字にとなっています。

今や、不動産会社にとって欠かせない不動産ネットメディアですが、安定している企業は少なく、各社様々な課題があることが分かります。

次ページ:【ランキング】1位~23位発表!



「不動産業界ランキング」 記事一覧はこちら
 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ