不動産関連サービス業 時価総額ランキング2020

上場不動産関連サービス業種24社(※)を対象として、2020年8月7日時点の時価総額をランキング形式でご紹介します。併せて、コロナ前の2019年同日と比較した増減率ランキングもご紹介します。会社の価値や将来性に対する投資家からの評価である時価総額は、コロナ前後でどのように変化したのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準

集計方法

・2020年8月7日時点の時価総額、及び、前年の2019年8月7日時点の時価総額を集計

・2019年5月期から2020年4月期までに公表された企業の有価証券報告書に記載されている売上高を集計

・連結決算の場合は連結数値を集計

画像=写真AC

時価総額ランキング1位~3位は前年と変化なし 上位7社は軒並み前年比減

 

1位はリクルートホールディングスで、時価総額は6兆874億300万円となりました。前年同日が6兆1,342億8,700万円だったため、少々減ったものの、コロナ前とほぼ変わらない水準といえます。同社がてがける就職や不動産をはじめとする様々なメディアは、主にネットや紙媒体を利用しているため、コロナ禍も事業に影響が少ないと評価されたのでしょう。

2位は住宅ローンの信用保証を手掛ける全国保証で、時価総額は2,661億8,900万円となり、前年の2,820億3,000万円から約158億円のダウンとなりました。また、3位は不動産ファンドのケネディクスで、時価総額は1,072億200万円となり、前年比約140億円のマイナスとなっています。とはいえ、2社とも極端なダウンではなく、ランキングとしては前年と変わらない順位となりました。

参考サイト

不動産関連サービス業 時価総額ランキング2019

時価総額300億円以上の会社は7社となり、いずれもコロナ前よりマイナスとなりました。

 

特に減額幅が大きかったのは、じげんです。じげんは「賃貸スモッカ」「ミノリノ」など、不動産関連のメディア事業を手掛けています。時価総額大幅減の直接の理由としては、同社の子会社アップルワールドが、旅行代理店向けの海外ホテル予約システムを手掛けており、コロナ禍の直撃を受けたことが影響しています。しかし、グループ全体の連結決算は黒字となっていますので、今後は株価が回復していくことが予想されます。

時価総額増減率ランキングTOP5 コロナ前より時価総額がアップした不動産関連サービス企業は

前年の同日に比べ、時価総額が増加した企業トップ5をご紹介します。


1位は日本モーゲージサービスで、時価総額の増加率は179%となりました。同社は中小の住宅関連事業者に対して、住宅に関連する金融や保険、クラウドサービスなどの経営支援を行っています。

日本モーゲージサービスはコロナ禍に伴い、デジタル化が遅れている中小住宅事業者に対して、テレワークの環境を整備するための資金繰りを支援しています。時代が求めるサービスを手掛けているため、業績好調です。株主配当も増配を行い、株主優待をグレードアップさせる結果となりました。

2位のいい生活も「ITで不動産市場をより良いものに」をモットーに、不動産取引のデジタル化やウェブマーケティング強化のためのシステムを開発し、クラウドサービスを提供する会社です。テレワーク時代の不動産産業が今まさに必要とする技術なだけに、投資家の関心も集まっています。

反対に、最も時価総額が減った企業は、建築家と建設会社を結ぶネットワーク事業を営むアーキテクツ・スタジオ・ジャパンで38%でした。同社はコロナ前から不安定な経営が続いており、コロナショックがさらに追い打ちをかける結果となりました。2020年3月期決算では営業損失や経常損失を計上、営業活動によるキャッシュ・フローは2期連続してマイナスとなっています。

24社全体の時価総額増減率は98%と、トータルとしては昨年とほぼ変わらない水準まで回復しています。しかし、企業によって増減幅が大きく、明暗がはっきり分かれる結果となりました。今後はさらに、時代を追い風に繁栄する企業と、苦しい経営に追い込まれる企業とに分かれそうです。

不動産関連サービス業 時価総額ランキング2020

集計方法

・2020年8月7日時点の時価総額、及び、前年の2019年8月7日時点の時価総額を集計

・2019年5月期から2020年4月期までに公表された企業の有価証券報告書に記載されている売上高を集計

・連結決算の場合は連結数値を集計

 
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