2018年04月27日
不動産テック

楽天・三木谷会長の言葉を胸に不動産営業を変える Cocolive山本社長

不動産テック

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みごとかわり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


4月20日の記事『Cocolive山本社長「マーケティングオートメーションで変わる』に続き、Cocolive(東京・港区)・山本考伸社長にマーケティングオートメーションツール『KASHIKA』を提供するに至った経緯を聞いた。リビンMagaZine Biz編集部)




Cocolive・山本考伸社長(撮影=リビンMagaZine Biz)



前回記事:

Cocolive山本社長「マーケティングオートメーションで変わる



―開発されたサービスは(前回参照)不動産営業のやり方に沿ったものになっているなと思います。これまでに徹底してヒアリングをされたということでしょうか。


ヒアリングと言えば聞こえは良いんですが(笑)使っていただいた不動産会社とのトライ&エラーの繰り返しです。もう、はっきり言って怒られながらですね(笑)


「これじゃ使えないよ」という点を、一つ一つ潰していきます。売買仲介の場合ならば、他社との競争になることが多いので、「自社HPにアクセスした情報がすぐに欲しい」といった要望をうけました。「うちにアクセスしたってことは絶対に他社のHPも見ているから」ということのようですね。そこで、お客様が自社HPを閲覧したタイミングでリアルタイムに通知が来る機能などはそういった声から生まれました。



―これまで何カ所ぐらい修正があったのですか。


実行したものだけでも500件以上になります。そのうち、6割が利用いただいている不動産会社の意見を取り入れた改善です。残りの4割は社内からのアイデアです。



―どれぐらいの期間で500件の改善があったのでしょうか。


去年の5月にβ版サービスをリリースしてからなので、1年弱の間です。



―毎日のように改善されているんですね。改善を実装する時の基準はありますか。


不動産会社からの意見は貴重です。しかし、受託で作っているわけではないというのは意識しています。言われたことをそのまま実装していたら、これまでの不動産営業から、想像を超えたモノは作れないと思うんですね。そもそも営業現場の目線からは、「お客様の行動や営業改善を可視化する」という『KASHIKA』本来のサービスへの要望はもらっていませんでしたから(笑)



―ベンチャーの中でもメガベンチャーの楽天グループにいながら、スタートアップ企業をやられているというのはどういった経緯があったんでしょう。


よく、「大企業をやめてベンチャーを立ち上げた」と言われるんですが、仕事の内容は本質的にそんなに変わってないんです。


楽天トラベルの代表だった時も、私自身がちょっとしたサービスの仕様書を書いていました。もともと楽天トラベルに呼んでいただいたのも、私がプロダクト開発とデジタルマーケティングが得意な分野だったからです。


M&Aの専門家とかいった、よく言われるプロ経営者とは私は違うと思っています。どちらかというと製品やサービスなどプロダクトを作るのが私の本質ですね。


プロダクト開発とそれを広めるマーケティングが仕事の7割くらい。残り3割ぐらいが経営者としての仕事です。楽天トラベルでは、そこは一生懸命学びながらやっていたという感じですね。


私はもともと情報工学出身です。エンジニアになりきれずビジネスマンになったと思っています(笑)率いる企業の規模の差というのは、全く感じてないです。



―エクスペディアや楽天トラベルなどホテルや宿泊といった業界向けの企業での経営経験が多いですね。どうして不動産テックに進出されたんでしょうか。


楽天トラベルにいたときに、三木谷浩史会長に言われたことがあります。

楽天トラベルをホテルが予約できるだけのプラットフォームとして特化していると、いつかはコモディティ(差別化が困難)になるぞ」と。


予約が簡単にできるだけではなく、「一番良い宿泊体験をレコメンドできるようにならなければならない」と言うんです。その根底には「楽天はeコマースの会社ではなくて、それぞれの楽天会員に最高の商品を紹介する出会いの場である」という考えがなんです。そのためにもっとデータを集めて、分析して使う必要があるんですね。私はその考え方に影響を受けました。データを使って一番良いものを導き出すということが、常に頭の中にあります。


そういう考えを持った中で、私自身が家を購入した体験も大きく関係しました。買うまでのプロセスをネット上でのホテル予約などと比べた時に、すすめられた家は「もうその条件では探してない」という情報が出てくることが頻繁にありました。不動産会社側が、お客様に対して、もっと理解できることがあるんじゃないかと思いました。


私は家探しが楽しくて、結構好きだったんです。そこで、楽天で三木谷会長にたたき込まれた「出会い・マッチング」を生かして、家探しを変えていきたいと思った。これまでの経験、知識を使って不動産業界に変化を起こすことに、力を注ぐことを考えました。良い旅館・ホテルに出会うのも大事です。でも、人生の時間を考えれば、自分にぴったりな家に出会う方がもっと大事なんじゃないかと思っています。



―不動産・住宅業界は遅れていると感じた部分もありましたか。


いえ、業界単位でみると、もっと遅れている業界もあると思います。例えば食品販売やフィットネスなど、まともにレコメンドされたこともありません。


逆にeコマースの分野でデータ分析が進んでいるのは、オンラインで完結するビジネスであることが大きいです。フィードバックがしやすかったんですね。不動産はネットで完結できません。最後のところは人と会うことになるため、フィードバックなどのPDCAが回しにくかったんだと思います。


しかし、それもやりにくいだけで、できないわけではありません。ある程度までは、データを使って効果測定できる部分はあります。一家を買うのは一生で1回や2回しかない、よりお客様にマッチするものをレコメンドすることの需要はものすごくあると考えています。このコンセプトで不動産会社の営業手法も含めて変えていく。そして行動や趣向を可視化することもできると思います。



>>続き:『KASHIKA』 今後の展開とは?



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