2018年06月15日
不動産テック

キーウォーカー・真瀬社長「ビッグデータで不動産の未来予測する」

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みごとかわり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。今回は、ビッグデータの収集・可視化・分析ツールを提供するキーウォーカー(東京・港区)・真瀬正義社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz)




キーウォーカー・真瀬正義社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)



―不動産ビジネスにおけるデータ活用について、様々なやり方が模索されています。現状での貴社の取り組みを教えてください。


当社は2005年頃に人工知能の研究や開発に必要な手段として、ネット上の膨大なデータを収集するクローラー(※1)を作りました。今では、そのクローラーを使ったビッグデータ収集がメインのビジネスになりつつあります。


※注1=ウェブ上の情報を取得し、データベース化するプログラム。



―どういう業態から、どういった利用が多いのでしょうか。


これに関しては様々です。大手・地場中小を問わずに不動産事業者は多いです。他に家電メーカーやファッション業界、大手通販サイトなどです。報道機関もニュースのクローリングをしています。あとは官庁や金融機関もです。導入企業は累計で300社ほどになります。


使い方としては、自社商品の価格調査が一番多いですね。次に、自社商品の口コミも調べられています。こういったデータを新商品開発やマーケティングに使うわけです。



―不動産業界はデータをどう使っていますか。


不動産に関して言えば、投資用不動産の表面利回りを可視化する使い方などですね。不動産情報をクローリングして、中古マンションを投資用に購入した場合、どれぐらいの表面利回りになるのかを割り出します。


中古マンションの売り出し価格のデータと周辺の賃貸情報、この二つのデータを合わせて利回りを算出しています。



―売りに出ている物件の価格と、周辺にある物件の情報から適正な賃料を出すことのですね。


そこから、さらに物件賃料の構成要素を出します。


例えば、港区三田の物件が26万円の家賃で貸し出されているとします。その賃料の構成要素として面積が73%と算出できる。広さだけで19万円の家賃になっている。さらに階数で1万6,000円プラス、駅からの距離や向きはプラスマイナスゼロ、間取りは2LDKと人気の間取りなので1万3,000円プラス、構造はRC造なので3万9,000円プラスという具合です。構造が木造だと家賃が変わってくるかもしれない。こういったように家賃の構成を推論するシステムを作っています。




利回りシミュレーションの画面(画像提供=キーウォーカー)



こうした要素を組みあわせて、利回り予測をするわけですね。重回帰分析(※2)といいますが、更に精度を上げる場合には人工知能を使って、機械学習の力を活用する場合もあります。


※注2=統計学上のデータ解析方法の一つ。ある結果が生じる際の内訳を構成する要素のうち、どの要素が結果に影響しているのかを数値化する。それぞれの関係を表し、結果を予測する方法。


重回帰分析のような統計分析を使う利点は、構成要素を分けて算出できることです。統計的な方法や人工知能の手法を活用して、集めたデータから仮説を導き出して検証を行っています。


家賃の下落率を過去のデータから導き出すサービスもあります。家賃の下落率は、構造や間取りなどによって下落するパターンが変わってきます。


不動産仲介会社ごとに必要としている情報は違います。これらの機能を組み合わせて、不動産仲介会社向けにカスタマイズして提供するんです。例えばペットショップや病院など、売り物件の周辺にある施設を集めて地図上にマッピングすることもできます。それを物件の販促資料に使用する企業もあります。


国交省の物件取引データを取り込んで、買い主や売り主に見せている企業もあります。


行政データは重要な情報がたくさんあります。そして、誰でもダウンロードできるんですが、誰も見ませんよね。そこをわかりやすく可視化します。


行政データを見やすくすれば、例えば表参道や青山といったエリアではビンテージマンションという言葉があるように、築年数が経過したマンションでも価格が落ちないものがたくさんありますよね。


そういうことを言葉で説明するよりも、可視化したデータで見せた方が説得力があります。


成形して可視化することで、不動産営業の現場で、提案の際にも説得力があるデータとして使えます。不動産購入や売却の意思決定を後押しするツールにとして、活用している企業が増えています。新入社員でも、こういったデータを活用して、営業提案のノウハウを平準化させることができます。



また、不動産というとマンションや土地だけではなく、駐車場もあります。駐車場の情報についてもクローリングしており、いろいろなことを可視化することができます。賃料相場はもちろん、満車か空車か、混雑しているかなども分かります。平日と土日祝日、昼と夜によって利用率がどう違うのかがわかります。民泊データや貸し会議室・貸倉庫といったシェアスペースの情報もクローリングしています。




駐車場データ(画像提供=キーウォーカー)



こうしたデータによって不動産の時価のようなモノも知ることも可能です。


そして、様々な不動産に関わる情報を集めることで、多角的な投資分析を行うことができます。例えばある場所の建物をどう活用するかを考える際に、それを民泊にするのかビジネスホテルにするのか、貸倉庫なのか、貸し会議室なのかといったことを分析することが可能です。Ifの条件で活用した場合のシミュレートを行うことができるのです。



>>2ページ目:地場・中小の不動産会社こそデータを活用するべき!



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