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スペイシー・内田圭祐社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―飲食店のフーターズでは、アイドリング時間を『スペイシー』を通じてコワーキングスペースとして活用しているようですね。また、ヤマハ音楽教室でも空き時間を個人の練習室にしていると聞きました。面白い着眼点で、新しい利用方法を考えていますね。そういう着眼点は内田社長が見つけるのでしょうか。

そうですね。

例えば、今やろうとしているのは、自宅の庭を畑として貸し出す仕組みを模索しています。市民農園といったものがありますが、もっと、個人の自宅の庭を貸し出せないかということを考えています。

『スペイシー』でも、部屋にホワイトボードを入れただけで、賃料以上に稼げた物件があります。会議室よりも安いので、たくさんの方に使われます。そうすると、周辺にも会議室シェアのニーズが生まれてきます。

そういう流れでいけばニッチだったものが、ニッチでなくなるんです。ニーズが進化していくというのかな。そういうことがイメージできれば、今はニッチでもどんどんトライします。

―ニーズが進化していく。先ほどの畑のシェアなども同様ですか?

「ニーズが見えないものをなぜやるのか」というと、『スペイシー』などのシェアビジネスを一般の方々に広めるためです。畑や音楽教室のシェアといったことにもトライすることで、世の中に広まって行くかもしれないと考えています。

―シェアリングサービスを広げるためにあらゆるシェアにトライしているのですね。

今後、どんどん個人が信用できるようになっていきます。

現在でもFacebookといったSNSで個人がすぐに結びついたり、履歴情報が残ることによって悪いことしづらくなっていたりしますよね。

人の信用が可視化される構造が進んでいくと、今までの「よく分からない人は信用できないから、取引したくない」っていう状態が、「よく分からない人だけど、信用できるので取引する」ということができるようになっていきます。

個人のスペースをシェアして、「他人を中に入れてもOK」になったりとか、「自分の庭だけど地域の人だったら貸してもいいよ」となったり、「自宅にあるピアノとかも貸し出したりしても良い」と、そういうふうになっていく。

―CtoCの取引が普通になって、やがて主流になっていくということですか。

そうですね。

今までは、C(個人)がB(法人)を作りtoC(個人向け)でビジネスをしていました。

しかし、B がなくても、Cが持ってるアセット(商品、価値のあるもの)を提供できる状態が、今後は増えていくのではないかと思います。

その幾つかは、我々みたいなプラットフォームが情報を寄せ集めて、サービスを提供することでCtoCっていう構造が進化し、普及に寄与したいと考えています。

そもそも、なぜ、B(法人)を作るかというと、やはり取引の信用性が重要でした。

例えば不動産の取引では、仲介会社を間に挟むことが宅建業法で推奨されるように、知識がない人でも取引を公平にするために法人が必要という、ある種の信用行為だともいえます。でも、個人の信用度が法人よりも上がっていけば、CtoCでも成り立つことだと思います。

>>次のページ:不動産業界もCtoCビジネスに?モノの新たな価値とは(3ページ目)

 
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