<<前のページに戻る

モノオク・阿部祐一社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―不動産業界に感じる課題はとはなんでしょうか。

ビジネス面と体質面の2つの課題があると思っています。

ビジネス面では、やはり情報の格差です。一般の方と不動産会社が持つ情報に格差がある。今、コンビニの数よりも不動産店のほうが多い。なぜ、それだけ儲かっているのか?やはり誰かが割を食っているはずです。それが情報を知らされない一般の方ですね。その状況がいつまでも続くとはかぎりません。

一方、体質面では、「未だにFAXが主流」というアナログな商慣習ですね。ビジネスとしてアップデートをしなければならないタイミングが来ています。

今後、海外から不動産向けのサービスが黒船として入ってきたら、一気にシェアを取られてしまいます。業界全体がそういった危機感を持たなくてはいけません。

日本国内では不動産テックのスタートアップはまだ少なく、ほとんどは活躍していません。やはり一度業界を壊すようなことをしなくてはいけません。

―『モノオク』は今後1年で10,000人の会員登録を目指されているそうですね。10,000人の荷物を預けるデータが集まってくると、何か他のことにも活用できそうですね。

もちろん、集まったデータの活用方法についても考えています。

10,000人が利用できる規模になってくると、比例して登録物件数も増えていく。ある程度のスペースが確保でき、いろんなモノを置くことができる環境ができあがります。

構想として、リアルなAWS(Amazon Web Services)ができるのではないかと思っています。物流のアセット・拠点として『モノオク』が組み込めるのではないでしょうか。配送拠点を作るようなサービスを作っていければ、モノを置くスペースに困ることはなくなっていきますよね。

また、モノを預けている期間は、「モノを使っていない期間」です。それをレンタルで貸すようなサービスもあり得ると考えています。まだまだ先の話で深く考えていませんが。

モノオク・阿部祐一社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―様々なサービスの展望を考えているのですね。

将来、皆が決まった家を持たなくなる可能性があります。「家のフリーアドレス」といったことを考えられている企業などもありますよね。決まった料金を払い続ければ、同価格帯の様々な場所・家に住むことができるようなサービスです。

そういった住環境がスタンダートになったときに、『モノオク』がなければモノの場所に縛られてしまいます。自由にどこでもおける『モノオク』があれば人はモノに縛られませんよね。

―しかもそのモノをレンタルして生活する人も出てくると。

モノを持たなくなっている人が多いと言われていますが、モノがなくなるわけではありません。そういったときに「シェア」という価値観が生まれてきます。

―今後の目標はありますか?

そうですね。まずは今年中にユーザー登録数、物件登録数10,000を目指し、「『モノオク』を使って荷物を置こう」という認知が普及していければと思っています。

今だと、モノを一定期間預けるにはトランクルームを選ぶ人が多いのですが、そこに『モノオク』という選択肢が生まれることが目標です。

そのためには、まずコミュニティに対して普及させていこうと思っています。先ほど言ったように、コスプレイヤーのコミュニティ、自営業のコミュニティなどに広げていきたいと思っています。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ