2018年10月19日
不動産テック

仲介手数料に自由を! マンションマーケット・吉田紘祐社長

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みが劇的に変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、全国のマンション情報が分かる『マンションマーケット』を提供する一方で、自社でも不動産仲介業を行う、マンションマーケット(東京・中央区)・吉田紘祐社長に話を聞いた。(リビンMagaZine Biz編集部)




マンションマーケット・吉田紘祐社長(撮影=リビンMagaZine Biz編集部)



『マンションマーケット』サービスのきっかけ


―運営されているサイト『マンションマーケット』について教えてください。




(画像提供=マンションマーケット)



『マンションマーケット』は、マンションの相場情報を無料で簡単に調べることができるサイトです。一般の方が、今まで不動産会社に問い合わせなければわからなかった情報に気軽にアクセスすることができます。


マンションの情報に特化しており、マンションごとの相場価格や過去の取引価格などがわかるため、売却や購入の前に見ていただく方が多いサービスです。


そのほかには、中古マンションの売却に特化した不動産仲介サービス『スマート売却』があり、最適な売買プランをご提案するためエージェント制をとっています。



―宅建免許を持って不動産業を営みながら、不動産テックにも力を入れています。吉田社長は以前、何をされていたのでしょうか。


以前はリクルートに在籍していました。入社した当時は「リクルート住宅情報」という名称、今の「SUUMO」の営業を担当していました。不動産会社に対する営業が、ビジネス・キャリアのスタートですね。


リクルートには3年と少し在籍しましたが、転勤が多くて、担当するエリアは1年ごとに変わりました。首都圏から鹿児島県、その次は静岡県浜松市と、毎年新しいお客さんとお会いしました。


2012年にリクルートを退職して自分で会社を始めたのですが、マンションマーケットをつくったのは、2014年の5月です。それまでの期間、不動産会社向けのシステム開発の受託をマンションマーケットの創業メンバーと2人でしていました。平行して『マンションマーケット』のサービスを作っていました。



―マンションマーケット社を立ち上げたきっかけを教えてください。


そもそも不動産業界を意識していたわけでもないんです。リクルートでの担当領域が不動産だったので、独立時もまずは不動産が思いつきやすかったのでしょう。リクルートに不動産領域があることも、配属先の通知書が着たとき初めて知ったぐらいです(笑)


元々、リクルートから独立したときは、「自分でなにかしらの会社を作りたい」という思いだけがありました。新卒でリクルートに入るのはそういう人が多いですからね。


本音を言うと、独立したときも不動産業界を意識していませんでした。ただ、ビジネスプランを考えていく中で、自分が担当していた不動産の領域に知見があったことと、いろいろ調べると、不動産業界には非常に課題があったり、欧米諸国と比べても遅れていたりすることが分かり、今の『マンションマーケット』のビジネスモデルをやっていこうと決めました。




マンションマーケット・吉田紘祐社長(撮影=リビンMagaZine Biz編集部)



不動産取引で、吉田社長が感じた問題点


―エージェント制や情報公開など不動産業界で新しいことに取り組んでいます。不動産業界の一番大きな問題点というのはどういったところだと感じていますか。


売買領域でいうと、仲介手数料に問題があると感じています。


リクルートにいたときにも感じていましたが、仲介では手数料は3%+6万円という上限が決まっていますよね。


首都圏の場合だと、物件価格が1億や2億円というのは普通にあります。一方で鹿児島に赴任したとき、住宅売買の平均価格は2千万円ぐらいで、手数料に大きな差がありました。でも、実際にやっている業務というのは、ほぼ変わらない。しかし、手数料にはこれほどにも差があるのだな、驚きました。


同じ商売・サービスに対して、手数料額がこんなに大きくに変わる。しかも、それが法律で決められている業界というのは他にはあまりないように思います。規制の多い士業でも自由化が進んでいるなかで、不動産業界に関しては法律で上限額が決められているというのはおかしい。


そこで当社では、物件価格に依存しないで、売却に関して仲介手数料を49.8万円と決めています。考え方としては「手数料なんて自由に決めれば良い」という志向なんです。


なので、売買仲介のなかでも「こういうサービスをしたらいくらください」といった手数料の自由化、「サービスに対して自分たちで値付けをして、提供すれば良いのにな」と思っています。


上限額が法律で決まっているので、都心であれば一回の手数料については100万円単位が普通になっている。でも、田舎だと価格が数十万円という物件もある。商売として成り立たないような手数料になってしまう。だったら、手数料なんて自分で決めて、消費者の方が選べるようにすれば良いはずです。


3%+6万円が定価になっていることでの弊害が大きくなっています。


当社が物件価格に関わらず定額でやっているのは「手数料は自由に決められるんだよ」という意思の表明です。



―不動産業界における、首都圏と地方の差を感じたのが大きかったわけですね。


「SUUMO」時代、不動産会社から広告費をいただくわけですが、その原資をたどれば仲介手数料です。手数料に差があることはかなり気になっていました。


また、日本に限るわけではありませんが、これだけITが発達しているのに、価格情報がオープンになっていません。


例えば、自宅を売ろうと思ったら、いくらで売れるのかは必ず不動産会社に聞かないといけない。


いわゆるSUUMOのような、売り物件や貸している物件の掲載サイトはある。かたや、アメリカを見てみれば『Zillow』のように、情報がオープンになっているサイトがある。


不動産の価値を把握するためのサイトがないなら、「じゃあ自分たちで立ち上げよう」と思いました。


そこで当社のミッションは、「情報の非対称性をなくして、消費者の方も合理的に判断できる状況を作ろう」というものに決めました。



>>次のページ:一般消費者が知りたい情報を提供することに価値が生まれる(2ページ目)




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