2018年11月02日
不動産テック

かつて最先端だった不動産業界。取り残された理由 フロネシス・芹澤社長

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、不動産事業をしながらも、不動産クラウドソーシング『KUROUTO.』を提供し、2018年10月には業務効率化サービス『workplace.kurouto.』の提供を開始した、フロネシス(東京・港区)・芹澤克典社長に話を聞いた。(リビンMagaZine Biz編集部)




フロネシス・芹澤克典社長(画像提供=フロネシス)



不動産のクラウドソーシングと業務効率化サービスの関係


―提供しているサービスについて教えてください。


当社では、2015年より不動産業務のクラウドソーシングサービス『KUROUTO.』を提供しています。


『KUROUTO.』は、全国の不動産業に関わるプロ同士が連携できるプラットフォームです。これまで不動産事業者が時間や距離のために諦めていたような地方の案件などを、そのエリアのプロと協力できる環境を構築しています。




(画像提供=フロネシス)



不動産に特化したクラウドソーシングを利用することで、地方不動産の流動化や、空き家流通の促進ができると思っています。



―2018年10月には、新しいサービス『workplace.kurouto.』をリリースされたました。


これは、これまで時間がかかっていた書類作成をサポートする業務効率化サービスです。


物件調査の際、これまでは物件を撮影しに行き、事務所に帰ってから編集、そしてレポートを作成するといった行程が必要でした。


workplace.kurouto.』では、スマホの専用アプリを使って物件写真を撮影することで、物件の外観や内装のデータをクラウド上に登録することができ、それに付随したデータなども取得することができます。物件撮影では、「エントランス」「玄関」など、撮影するべき箇所がサジェストされ、その通りに撮影していくことで、撮影漏れを防ぐことができます。また、写真の角度や方向を指定する部分の使いやすさなどにもこだわっています。




(画像提供=フロネシス)



レポートの作成時には決まったレイアウトを選択することで、書類がすぐに完成します。

例えば、30枚のレポートを作る場合、これまで撮影時間を含めて40分ほどかかっていた作業が12分で終了します


そのほかにも登記簿情報の自動読み込みや、媒介契約書、販促図面などの出力も可能です。これらの作業を現地で行うことで、これまでの作業の負担を軽減することができます。


現在は、データの取り込みや書類の整理といった機能がメインですが、将来的には集まったデータを活用することで『workplace.kurouto.』上で重要事項説明書が自動で完成することをサービスの目標としています。



―『workplace.kurouto.』はクラウドソーシングではなく、物件調査やレポート作成がしやすくなる業務効率化サービスともいえますね。


そうです。


しかし、『workplace.kurouto.』も『KUOUTO.』に繋がっています。


我々は不動産のクラウドソーシング環境の構築を最終目的としていて、その目標達成のために3つのフェーズを想定しています。


まず、第1フェーズとして、不動産業界が持つボトルネックを解決します。今、不動産業界でのボトルネックとなっているのは「コスト」「スピード」「データの偏在」です。


例えば、地方の物件では仲介手数料が低く、コストに見合った収益が見込めません。そのため、商圏は都市部に集中しています。また、地方のプロフェッショナル人材も減少傾向にあります。同時に、誰もがアクセスできるオープンデータが少なく、業界で定まった形式もないため活用が難しい。それを収集・加工して安価に提供する事業者もいません。


こういった課題を解決するには、「プロの作業効率化」が求められます。地方の案件を低コストで受けることができるよう、RPA(ロボットによる自動化)、クローリング(情報収集)、クラウドサイン(ウェブ認証)などを活用してコストダウンを図り、事業領域の拡大が必要になってきます。



―そのための『workplace.kurouto.』なのですね。


今の不動産会社は、先ほどの物件調査やレポートの作成といった部分や、重要事項説明書などに、かなりの時間をかけています。


『workplace.kurouto.』では、この初期行動の効率化に挑戦します。


現場のプレイヤーだけではなく、それを管理する役職者も重説のチェックには、かなりの時間をかけています。書類というルーティンワークに組織が凄く時間を取られているんですね。


まずは、これを改善するところからやりたい。

そこを改善することで、プレイヤーにもっと時間が生まれ、お客さんに寄り添ったり、説明したり、意思決定を促すコンサルティングといった価値のあることに時間を使うことができます。



>>次のページ:『KUROUTO.』は地方の不動産流通を活性化させる(2ページ目)




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