2018年12月14日
不動産テック

日本の不動産投資をグローバル基準に変えろ リーウェイズ・巻口成憲社長

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。


これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、人工知能を使った投資用不動産の業務システムを開発するリーウェイズ(東京・渋谷区)の巻口成憲社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)




リーウェイズ・巻口成憲社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)



―開発した『Gate.』の導入企業が拡がっていますね。


我々が提供している『Gate.』は収益不動産の分析をするサービスです。


不動産テックには、いろいろな会社がありますが、ほとんどは自宅をターゲットにしています。自宅であれば購入するにしても賃貸するにしても部屋を見に行かないと話にならないし、個人的な理由で決めることも多い。だから、インターネット上で解決できることはそんなに多くありません。


我々はより問題の多い投資不動産にフォーカスしています。


スルガ銀行の不正融資問題が話題になっていますね。私は不動産業界に25年ほどいますので、ああいう話ってずーっと前からあったのを知っています。それを解決したいと思っていました。



―それが『Gate.』というわけですが、基本的な機能を教えてください。


投資不動産は入居者が住んでいる状態で取引されることが多いので、現地を見ずに売買されます。もっと言えば、数字上のパフォーマンスが重要で、投資の対象となるのは日本だけにとどまりません。フィリピンやロンドン、ベトナムにも投資不動産がたくさんあります。投資不動産市場は実はとても膨大なマーケットです。不動産投資の市場は世界で2京円と言われています。


そういった背景から、「グローバルな不動産投資市場を作りたい」と思ったことがサービス開発のきっかけです。


投資不動産の最大の課題は、将来予測ができないということです。投資不動産の判断基準は、現状表面利回りしかない。しかし、表面利回りは今この瞬間の利回りでしかないでしょう。購入してから家賃が安定するのか下落するのか、売却したら利益がどのくらい出るのかによって最終的な収支は全く異なります。


エリアや物件種別ごとに家賃相場や下落率は大きく違います。つまり同じ表面利回りの物件でも最終的なパフォーマンスは全く違うということです。どれぐらい違うかというと、東京23区なら30年で平均28%、大阪だと平均43%家賃が落ちます。名古屋だと47%です。


当然23区の中でも、板橋本町と赤坂見附では家賃の下落率は全く違うし、同じ名古屋でも岡崎駅前と名鉄駅前では下落率は大きく違う。


『Gate.』を使えば、そういった複雑な収支が簡単にシミュレーションできます。




リーウェイズ・巻口成憲社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)



―どのように開発したのでしょう。


先ほどあげたような問題点は、不動産投資に関わる人ならば誰もが知っています。でも、実証するデータがない。データがないんだったら集めるしかない。そこで、データ収集のためのプログラムを作りました。


それが、リーマンショック直後の2008年です。


インターネット上には不動産のデータがいっぱいあるので、それを全部集めたら分析できるんじゃないかと考えて、10年間集め続けました。今6,000万件の不動産取引のデータがあります。


集まったデータは人工知能を使って分析します。家賃の下落率や空室率、売却時のキャップレートの分析ですね。そのためにディープラーニングの技術を使って人工知能「Opus(オーパス)」を開発しました。


自社開発の人工知能エンジンOpusを使って完成したのが『Gate.』です。価格と表面利回りしか判断材料がないという今の不動産投資マーケットの中で家賃の下落率や売却益、それらを考慮したIRR(全期間の利回り)を出すことがでます。なぜできるかというと、場所ごとの家賃の下落傾向を見ているからですね。これが分かると、初めて比較できるマーケットが作れます。


そうなれば、投資家にとっては判断材料が増えますし、不動産会社からすれば仕入れの効率化・提案力の向上に繋がるし、金融機関に取ってみれば担保価値査定の判断材料になります。


当然ですが、空室率や下落率は刻々と変化します。しかし、人口動態や商業的な発展度合いといったマクロデータや検証データを使うことによって9割の精度で査定できるというのが我々の強みです。


このサービスを作るのに3億円の開発費用をかけました。


不動産会社が単独で、同じコストを支払って、同様のサービスを作り出すのは難しいと思います。そこで、今ではOEMで不動産会社ごとに自社サービスとして導入していただくことも多いです。


初期費用や月々のコストを考えても、エンジニアを一人雇うよりも安いサービスになっています。


今、人工知能を使った査定サービスは多いのですが、皆やっているのは今の相場を出しているだけです。相場情報は、取引のきっかけになるかもしれませんが、判断の材料にはなりません。要するに、「この不動産が将来にわたって、いくらのキャッシュを生み出すのか」がわからなければ判断できません。相場と将来キャッシュを比較するから売りか保有かなどが分かるんです。


一時の相場ではなくて、我々は「この不動産がいくらのキャッシュを生むか」ということを出している唯一のプレイヤーです。



>>次のページ:金融機関で導入が始まる(2ページ目)


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