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レッドフォックス・別所宏恭社長(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

―徹底していますね。

現場にとって重要な情報を、現場で蓄積していくべきなんです。営業に関する情報に関しては、管理者より現場が共有すべきものですよ。現場の生産性を上げて、現場が楽に成果を上げられるようになる、そのことしか考えていません。

同じように、現場でも特に重要なのは「営業スキルはあるのに、やる気がない人」と「やる気はあるのに、営業スキルがない人」の2種類だと思っています。生産性を上げるにはこの人達がとても重要になります。

我々が狙うのはまず「営業スキルはあるのに、やる気がない人」です。これは経験年数が高いけど、ベテランになって仕事に飽きちゃっている人に多い。これはサボっているだけですから、ツールで支援して訪問件数を上げれば、すぐに成果が上がります。

次は「やる気はあるのに、営業スキルがない人」です。これは空回りしている若手ですね。どこに営業に行くべきか明確になっていないとか、効果的な提案方法についてアドバイスされていないといった問題があります。行動を支援しつつ、記録を残して共有することで、先輩や上司からアドバイスがもらえるとスキルも上がって行くはずです。

職場には「やる気があって、営業スキルもある人」もいます。この人達は営業のスターとかエースです。マネージャーを除けば、こういったスター営業の声が働き方に反映されやすいのですが、我々は無視します。どの会社も同じですが、スター営業は全体の10%くらいです。この人達の生産性は、もうあまり伸びしろがありません。そのままやっていれば良いのです。

「やる気もスキルもない人」もいますが、これは無視です。とっとと辞めてもらうしかありません(笑)

ツールの検討をいただく時は、まず「やる気もスキルもない人」の生産性を上げたいと要望されます。そして、導入の過程でスター営業が口を挟んできます。結局、よく分からないことになるパターンが多いんですね。どちらも無駄です。

「営業スキルはあるのに、やる気がない人」と「やる気はあるのに、営業スキルがない人」に焦点を絞って、行動を改善していくべきです。

―重要な指摘だと思います。テクノロジーに話を戻すと、スマートフォンを活用した働き方に鍵があるようにも思えます。

やはり地図と写真がすごく大きな違いを産みます。ノートパソコンからの大きな進歩はこの点です。あらゆる業種の営業現場でもっと活用していくべきでしょうね。

スマートフォンの活用を考えていくと、今のやり方ではない、新しい働き方を発明していく必要があると思います。実際にそう提案しています。

Excelで日報を書くためにノートパソコンを持ち歩くのではなくて、スマホで報告を上げられるようにすれば、それだけでも飛躍的に生産性は上がりますから。

不動産営業のなかでも、用地の仕入れや買い取り転売をやっている営業社員は1日で何社も回りますよね。多いところでは1日で30社訪問している企業もありました。これを住所録を見ながら回っていたのでは、間に合いません。そこでリストから住所録を『cyzen』に取り込んで、地図上にプロットします。直感的にどこを回れば良いかわかります。訪問先が重なるといったミスもなくなりますからね。 

―不動産業界では、部下に高いノルマを課して厳しく尻をたたくことをマネージメントだと思っている企業も多い。逆にノルマを緩くすることを働き方改革だと勘違いしている風潮も感じます。

ツールを使った効率化、生産性の上昇について真剣に考えていくべきです。マネージャーが厳しい姿勢で社員の尻をたたけば、一時は成果が上がるかもしれません。でも、いずれ現場が疲弊して業績は落ちる。

ノルマを緩くするのは、何の意味もないでしょうね。成果が落ちて、いずれ給料も下がります。

答えは効率化による、生産性向上にしかありません。

例えば、『cyzen』では営業先でどんなトークをしたかを記録、共有できます。その情報からある社員が営業先の社長と同郷だと分かって、なかなか進まなかった商談がとんとん拍子に進んだそうです。人間関係の作り方にだって、効率化の余地はあるわけですね。どんなものにも効率化はあるはずです。

―今後の目標はありますか。

我々は「働くをもっと楽しく」というビジョンを持っています。

サービスを改善していくときも、このビジョンに合うか合わないかを考えます。

現在1,300社以上に導入いただいていますが、中小企業を中心にさらに利用いただきたいと思っています。

会社で働く現場の従業員にとっては、同僚や近しい社員との関係がモチベーションに大きく関わっています。2019年4月には、「感謝」「支援」「賞賛」の流通最大化を目的に機能を追加する予定です。

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