タンブルバー・茅野智路社長 撮影=リビンマガジンBiz
―サービスを作ったきっかけを教えてください。
元々は、Googleのストリートビューをリアルタイムに更新される世界観を作るというのが原点になっています。
Googleストリートビューはとても便利ですが、あくまでも撮影されたある時点での画像データです。これを、我々はリアルタイムでわかる世界を作ろうとしています。
私はゼンリンデータコム出身で、もともと入社した目的は「人間分布図」を作るためでした。
人がどこにいるのか、人の動きを知ることができると、街づくりや商業の可視化ができるだろうと考えたんです。
リアルタイムデータの活用は今後のOMO(Online-Merge-Offline)社会やMaaS社会で必要不可欠なデータとなります。
―不動産業界へのサービス普及という点で課題に感じる部分はありますか。
私の職歴として、位置情報やデータを活用したマーケティング業務を行っていました。
主に収益を上げるための計画や効率化・集客プランなどのコンサルティングをしておりました。
しかし、不動産業界では効率が重要ではないんですね。これは、かなりショックでした。
「細かいことはおいておいて、売れたら何でも良い」という風潮が強く、会社の成長を求める一方で効率的な集客や業務を追求する概念が強くない。そのため今の業務を効率化する文化を少しずつ浸透させ、不動産事業者様にも受け入れてもらう方法を探しています。
まずは、多くの企業に導入いただくのではなく、1社1社のニーズやクライアントの成約率を一緒に高めていきたいと考えています。クライアントの売上に繋がる方法が生まれていけば、自然と誰もが利用するインフラサービスになると思います。
―不動産業界全体の課題はなんでしょう。
消費者目線からですが、仲介事業者の価値が問われていますよね。
行政や自治体の仕事がデジタルに置き換わり、土地の登記や地番が簡素化され、不動産契約に関する手続きがオンラインででき、これまでよりも簡単になります。
そのとき、不動産仲介事業者の価値は何になるのでしょうか。
私自身も、家を建てるために不動産会社に土地探しを頼んだことがありました。しかし、全然希望の土地を見つけられませんでした。仕方なく、自分で自転車に乗って土地を探し回りました。そして、希望の条件にあった土地を私が見つけ、不動産会社に「ここの土地にアタックしてくれ」と依頼したことがありました。
土地を探して欲しいと頼んでも、レインズに載っているデータしか持ってきてくれない。現地を調べて探すといった工夫もありませんでした。これでは、仲介業務が発生したときだけスポットで利用される存在になる可能性もあります。
そうならないためには、独自でどれくらい情報をもつのか、もっと業務の効率化ができるのかを追求し、顧客により多くの選択肢を与えるなど関係性を強固にできれば顧客満足度が更に上がると思います。
―今後のサービスの展望を教えてください。
現在は法人向けのデータ提供がメインですが、最終的にやりたいのは個人に向けたナビゲーションです。
個人それぞれの興味や趣味に適した街情報を提供したい。例えば「落語」が好きな人なら、スマホを街にかざすと落語に関わる場所が表示されるといった具合です。
パーソナライズされた場所、自分が行くべき場所がGoogleマップや食べログで探すのではなく、かざした瞬間にわかる。こういった世界を作るのが最終的なゴールです。
これを行うために世界中の情報やコンテンツを集めてくる仕組みが「Pod pics」です。将来ウェアラブルのデバイスが出てくると、こういった情報はもっと膨大に得られるようになる。
これからも、「Pod pics」によって位置情報とワーカーがどのように動くのかを科学していきます。

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