―サービスのきっかけはどういったものだったのでしょうか。

もともと私は、総合商社の丸紅に在籍しており、米国のファンドを担当していました。

日本の投資家からお金を預かり、海外の集合住宅を購入して、運用するという部署におりました。

その当時は、不動産業界は心底カスだと思っていました。

―強い言葉ですね。

日本不動産の商慣習に疑問を持っていました。

ADを付けてリースアップすることが主流であったり、売買でも専任返しといった手法が大手でも行われています。これは利益相反が甚だしい。

当初は賃貸仲介をなくすためにサービスを立ち上げようと考えていました。ネットにリプレイスしてしまおうというビジョンです。

丸紅の寮から出て行く社員の賃貸を仲介して、AD料もバックしてあげる。ワークフローを自分たちで分析し、FAXのやりとりもAPIで連携するなどし、効率化・合理化することで、オンラインでやりとりすれば、CtoCの賃貸取引が可能になり、賃貸仲介はなくなると思っていました。

しかし、賃貸仲介を代えるには、まずオーナーかPMを替えなくてはなりません。賃貸の客付けから不動産のバリューチェーンにインパクトを与えることはできませんので、売買に方向転換しました。

―旧態依然とした仕組みをなくそうと考えた。

ユーザーヒアリングを通して、かなり多くのひとが不動産会社の担当者に不満をもっていることと、不動産売買仲介の担当者1,000人以上にインタビューを行っていくなかで、「まともな人もいるぞ」と感じたのが、サービスの着想になりました。

―売買仲介のどういった部分が大切だと感じたのでしょうか。

我々が、不動産取引データを分析していくなかで、相場情報よりアウトパフォーム(上回る)して売買仲介を行っている担当者がいることが分かりました。

極論ですが、エリアの相場価格でしか取引できない担当者や両手取引しかしない担当者は、Amazonのようなネット通販でも良いでしょう。しかし、相場をアウトパフォームして売買仲介できる担当者がいる。

レインズなどを分析すると売却までの平均期間は約119日で、値下がり率が約15%です。

しかし、担当者ごとに分析すると、売却期間が2カ月ほどで、値下がらずに売るといったことがコンスタントにできている人がいることが判明しました。

知る前は「不動産会社は全員詐欺師」くらいに思っていたのですが、非常に高い見識があってお客さんのことを真剣に考えている人がいる。そうではない方ももちろんいるのですが(笑)

誠実に働いている担当者にスポットライトをあてるサービスが、これまで日本にはなかったことは「EGENT」に取り組むきっかけになりましたね。

EQON・三井將義社長 撮影=リビンマガジンBiz

―当初は、売買仲介のCtoCサービスを構想していたのですね。

そうです。

しかし、売買のCtoC化は無理だと感じました。

アメリカはどうなのかというと、アメリカも売買のCtoCの割合は下がってきています。賃貸においては、Rentberry(レントベリー)などCtoCでも流通しているのですが、売買においては難しい。日本においても構造的には同じだと思います。顧客の満足度は、アメリカも日本も、ほとんど担当者に依存します。

なので、担当者検索は日本のマーケットにもフィットするなと思い、事業を展開しています。

▶次のページ:勝ち残る仲介担当者の要素は「相場を上回る取引ができるか」(3ページ目)

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