2020年01月31日
不動産テック

オーナーや管理会社視点でアプリ企画(2ページ目)

不動産テック

  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter



ゴールドキー・木全雅仁社長 画像=リビンマガジンBiz編集部



―「app-me!Cloud」を提供するきっかけは、木全社長自身の経験があったとうかがいました。


現在も、祖父の代から続く木全商店(愛知県・名古屋市)という会社を経営しています。


昭和27年(1952年)、満州から帰ってきた祖父が名古屋で呉服屋として木全商店を始め、昭和47年(1972年)に不動産賃貸業に変わりました。私が年少の頃です。


私は明治生命保険相互会社(現:明治安田生命)に勤めていましたが、2004年に木全商店を受け継ぎました。当時は1人で120戸の管理を行っていましたね。すると、元々金融業界にいたからか、不動産業界の風習にとても不安を感じたことを覚えています。


例えば、契約申込書の送付にファックスを使っている。当然、誤送信も多い。私のところにもよく届きました。不動産会社に間違っていることを伝えると、「捨てといてください」で終わりです。個人情報の観点から見ても改善余地が多々ありました。

また、大家も、管理会社に任せっきりで、極力入居者とはかかわりたくない方が多かったのです。

祖父からは、「不動産賃貸業の基本は、玄関を掃除して毎日入居者に声をかけることだ」と言われていました。入居者は大家にとってのお客様なのでも、コミュニケーションが大切だということです。私もその考えを重んじていました。



―不動産賃貸業の基本には、入居者とのコミュニケーションがある。


しかし、木全商店も物件数が増えていき、今ではマンション12棟、店舗が24店舗、そのほかにもサブリース物件なども含めると、日本全国に物件があり、全ての入居者と密なコミュニケーションを取ることが難しくなってきました。


そこで、入居者とのコミュニケーションサービスを提供するために、2012年GoldKeyを立ち上げました。



―すぐに「app-me!Cloud」が生まれたわけではないようですね。


最初の取り組みが、マンションのエントランスにデジタルサイネージを設置することでした。遠隔から、サイネージにコンテンツを発信できるサービスです。


しかし、使えませんでした。入居者に全く見てもらえなかったのです。


次に、全ての部屋にタブレットを配りました。

独自にシステムを構築し、出前サービスや掲示板機能なども入れました。しかし、これも全く使われなくなってしまいました。結局、設備としてタブレットを配っても風化してしまったのです。


こちらの思惑で、入居者の生活に関係ないものを渡したところで、見てもらえないし、手に取ってももらえないことが分かりました。


そして、2014年に「app-me!Cloud」の前身であるアプリをリリースしました。入居者本人の携帯電話にアプリとして潜り込ませるためです。


すると、ようやく入居者とのキャッチボールができるようになり、リアルな情報が入ってくるようになりました。


「自分の駐車場に違法駐車がある」

「台風のあとで、ものすごくゴミ置き場が散らかっている」


といった情報などもリアルタイムで写真を撮って入居者が送ってくれるようになりました。



―サイネージやタブレットなど、試行錯誤の末に生まれたサービスが「app-me!Cloud」だったわけですね。しかし、管理会社には入居者とのコミュニケーションを取りたがらない会社も多い。


2~3年前までは、そういう管理会社がほとんどでした。


しかし、全国の大家や管理会社と話をするなかで「やっと変わりつつあるな」と肌で感じています。2018年頃から、「入居者もっと密接にと繋がらなければいけない」と考える会社が増えてきました。



―潮目の変化は何が要因だと思いますか。


2020年4月の民法改正です。

そのなかでも「賃貸部分の一部損失による賃料の減額」が大きいでしょう。


改正以降は、風呂が利用できない、エアコンが故障しているといったことで、契約通りの機能がないとされ、家賃が減額されてしまう可能性がある。


賃料の減額は、管理会社や大家への負担の可能性が高くなります。そうなれば、現場ではクレームや混乱が起きてしまうでしょう。でも、そういった情報は、入居者と繋がらなければ把握できないことです。そこで、管理会社も入居者と繋がろう、証拠を残そう、写真を撮ろう、といったことを前向きに考え始めています。


大家自身も「管理会社に任せているだけでは入居が決まらない」「自分たちも何かしなければならない」という気持ちが生まれています。


大家も管理会社も入居者と繋がることで、サービスを向上させる方法を探し始めています。



2ページ目:借り手市場化が進む賃貸住宅で何が必要か(3ページ目)


 
② 

  • line
  • facebook
  • twitter

閲覧数 102

  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。
引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

不動産を高く売却するなら、
最大6社で査定額を見積比較!

  • STEP1
  • STEP2
  • STEP3
  • STEP4

最短45秒

本サービスは売却検討中の方向けの、不動産会社に査定依頼ができるサービスです。

査定依頼後、不動産会社より連絡があります。

Service list サービス一覧