2020年05月22日
不動産テック

コロナショックは不動産投資業界にどのような影響を与えるのか PORT・齋藤英晃社長に聞く

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新型コロナウィルスの感染拡大にともない世界経済は激震に襲われている。経済の落ち込みだけでなく、人と人との接触事態を避けなければならない状況下では、従来型の不動産営業そのものが否定されている。


また人が集うこと、そのものにリスクが内在する以上は不動産ビジネスも大きく変化しなければならない。


コロナショックが不動産業界にどのような影響を与えているのか。今回は投資用不動産営業ツール「PORT」を提供するPORT(ポート:東京・港区)・齋藤英晃社長に話を聞いた。




PORT・齋藤英晃社長(取材は2020年5月20日に通信環境で行った)



―「PORT」の顧客である投資系の不動産会社からは、新型コロナウイルスの影響について何か聞いていますか。


ポジティブ・ネガティブ両面で影響が現れているようです。


ポジティブな話では、遠方の顧客や投資家に対して、オンラインでの提案をする良いきっかけになったという企業が多いですね。


また、これまで10人程度だったセミナーの参加者が、オンラインセミナーを開催したところ、100人以上が集まったというケースもありました。セミナー参加者からすれば移動の手間がなく、実際に対面するよりも心理的なハードルが低い。


実際に会って対面で提案を聞く心理的ハードルが1だとすれば、オンライン上で提案を受けるというのは0.5以下ぐらいだと思います。「不動産投資に興味はあるけれど、営業社員に会うと押し売りされそう」といった不安を感じている投資検討者からすれば、オンラインでの商談やセミナーは非常に参加しやすいでしょう。


オンラインを活用することで、これまで不動産投資に興味はあったけれど、会うには至らなかった顧客に対してもアプローチできるようになっています。


こういった進化・変化を前向きに考えている企業は、不動産投資への参加者を増やす良いきっかけだと感じているようですね。



―オンラインでのセミナーや商談が、不動産投資参加のすそ野を広げている。


一方、ネガティブな部分では、銀行・金融機関の動きが鈍くなってきており、決済に時間がかかっている話も聞いています。


また、リモート化やIT化に対応できていない企業では、「顧客に会えなくなって厳しい」というところもありますね。



―不動産投資市場全体ではどうでしょうか。物件の価格やテナントへの影響などは聞かれていますか。


リーマンショックのときを考えれば、物件の種別によって、影響を受けやすい物件と受けにくい物件があると感じています。


大型ビルや商業施設、オフィスや店舗系の物件などのグロス価格が大きな物件は影響を受けやすいでしょう。価格や賃料の下落が起こるかもしれません。飲食系のテナントが入っている物件では、ほとんどが家賃交渉を受けているようです。


一方でワンルームなどは、そこまで影響は出ないのではないかと考えています。


今回は、コロナウイルスという感染症が引き金になっているので、人が集まるような飲食店やテナントは、オーナーや価格に影響が出てくる。


ただ、現時点で私が聞いている範囲では、リーマンショック直後のような投げ売りや狼狽売りはそこまで行われていません。


リーマンショックのように、将来的にそういった事態が起こるのか、ウイルスの終息が早いかといった雰囲気ですね。



―オンラインへの対応ができる会社と対応が難しい会社では、どういった違いがあるのでしょうか。


「営業は会ってなんぼ」「足を運んで会って恩を売る」といった旧態依然とした考え方で、「なんとなくオンラインツールを入れてみたけれど使っていない」といったところは、成果は少ないと感じています。


不動産投資の営業において、まだまだ「会うこと」を重要視している人は多い。しかし、その方法にこだわって、しがみついているところは、この事態では間違いなくマイナスしかないでしょう。


一方で、オンラインの活用を信じて取り組んでいるところは、商談も早く効率的です。


不動産投資は、地方にも顧客がいるので、これまで移動の交通費や時間がかかっていました。そういった無駄をなくすために、オンラインを活用した提案のレベルを高めていくことが重要になってきますね。


また、実需不動産に比べて物件の内見や立地よりも、数字や物件のステータスが重要です。今後は、ますます場所を移動して商談する必要性はなくなってくるでしょう。



次のページ:コロナショックは、不動産投資営業が変わるきっかけにもなる(2ページ目)



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