2020年06月26日
不動産テック

誤算、管理会社にデータは...無かった(2ページ目)

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CBIT・「ビズアナ」事業責任者 庄山幸一取締役



―なかなかデータ分析の重要性が理解されなかった。


もう1つ、導入が進まなかった理由として、各管理会社が、賃貸管理システムにデータをきちんと登録していないケースが非常に多かったことも、導入されない理由です。ご提案させていただいた企業の半数程度はしっかりデータ登録ができていませんでした。


実際に「ビズアナ賃貸」を導入しようとしても、きちんとデータを登録していなかったために、全機能の3分の1も使えないといったこともあり、検証期間の最中に導入を断念せざるをえないということもしばしばありました。酷いケースですと、入退去の契解約の情報が全く入っていない、といったこともありました。



―そもそも、活用するためのデータが不十分だった。


管理会社の基幹的な事業なのだから、もっとデータがあると思っていましたから…ここは正直誤算でした。


そこで、2018年にオーナー向けの分析ツール「ビズアナオーナー」をリリースしました。これは、2017年に「ビズアナ賃貸」をリリースしたときに、『こういった可視化ツールがオーナー向けにはないのか」とオーナーからのお声が多かったことがきっかけです。だから、オーナー向け分析ツールを提供すれば売れると思ったのですが、これも難しかった。


オーナー向けの分析ツールの要望があったのは、富裕層に属するような棟数・戸数をたくさん持っている方たちだけでした。自主管理していて、各種データもExcelやAccessなどのデータベースで管理しているので、システムがあると月5000円ぐらいならば便利だという話でした。


その言葉通りにサービスを作ったのですが、そういった富裕層のオーナーは全体のごく一部だった。月に5,000円を払って分析したいといったニーズや、キャッシュリッチなオーナー-ばかりではないことを知りました。一番のボリュームゾーンは2~3棟・50戸未満のオーナーでした。


50戸未満の小・中規模オーナーならば、「ビズアナオーナー」のような細かい分析機能は必要ないんですよね。月5,000円出して数戸のデータ分析はしない。そこで、2019年「ビズアナオーナーLite」というスマホでもっと簡単に、もっと安価に情報の可視化・管理ツールを提供開始しました。これが、現在当社で一番注力しているサービスです。



―「ビズアナオーナーLite」はどういった機能があるのでしょうか。


「ビズアナオーナーLite」は、管理会社から毎月送られてくる収支報告書を、スマホで撮影して専用のマイページからアップロードするか、メール、FAXなどで、我々に送っていただければ、情報を見やすく可視化するというものです。


大きく2つの機能があります。

1つ目は収支報告書の管理、2つ目物件情報の閲覧です。

収支報告書の管理は、マイページ内に毎月蓄積されていくので、紙でファイリングしなくても、データで残しておくことができ、見たいときにスマホで開くことができます。


物件情報の閲覧は、累計の収入と支出と収支を合計で算出したり、物件ごとに抜き出したりすることができます。また、物件ごとの稼働なども全て分かります。




「ビズアナオーナーLite」 画像提供=CBIT



このように、機能としては単純です。収支の情報を分かりやすく見やすく管理する。ただ、管理会社から送られてくるレポートよりも見やすい。また、管理会社に委託していない自主管理オーナーも、Excelに情報入れていただき送っていただければ見やすくすることができます。



―オーナーにとっては、「ビズアナオーナーLite」にニーズがあったのでしょうか。


オーナーのマインドに変化が現れているようですね。これまでは経営者マインドが薄く、感覚で経営しているオーナーも多く、毎月の収支報告書も雑に扱っていた。


しかし、徐々に「何かしらしなければならない」と危機感を持ち始めたオーナーが増えてきているようです。でも、これまでは自発的にデータを分析する術がなかった。そこで「ビズアナオーナーLite」が受け入れられている。


これからも管理会社に任せきりのオーナーは減ってくるでしょう。オーナーが主導権を持ち、「ビズアナオーナーLite」をはじめとした分析した情報から、管理会社に提案するような姿勢が重要になるはずです。



―現在どれぐらいのオーナーに利用されているのでしょうか。


60名ほどにお申し込みいただいています。

利用者によって管理戸数はまちまちで、現在ご利用いただいている最小の方ですと1棟4戸、最大で10棟以上の方にご利用いただいております。


―マネタイズはどのようになっているのでしょうか。


2020年内は完全無料で提供します。まずは広く利用いただきたい。


利用いただいているオーナーから様々な要望をいただきます。


マーケット分析や賃料査定、所有している不動産の価格査定、これから購入する不動産の提案や収益改善など、要望は多岐に渡ります。こういった部分をオプションサービスとしてマネタイズしていきたいと思っています。



次のページ:オーナー向けプラットフォームを目指す


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