2020年07月31日
不動産テック

ワンダラス・遠藤栄一社長 家の最低資産価値を分析して住まい選びに新基準

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。

今回は、ワンダラス(東京・港区)遠藤栄一社長に聞く。(リビンマガジンBiz編集部)



ワンダラス・遠藤栄一社長


―提供しているサービスについて教えてください。


当社が2020年6月からβ版の提供を開始した「OlivviA(オリビア)」は、マンションの将来の担保価値(最低資産価値)をAIが予測するサービスです。


例えば、住まい購入を検討しているとき、多くの人が将来の資産価値やローンに関する不安を感じています。住宅系コンサルティング会社の調査では、住宅購入において約90%の人が何かしらの不安を抱えているそうです。特にお金に関する不安が大きな要素を占めるというデータもあります。


そこで、住宅購入に関する不安の対象を可視化することはできないかと考えました。


不動産の競売落札価格を、不動産のボトムの価格、つまり最低資産価値と考え、競売の落札結果データを集積することで10年後までの競売市場での落札価格を予測できるAIを作りました。




「OlivviA」 画像提供=ワンダラス



例えば、住まい選びで同価格帯の同じようなスペックの物件を比較検討する際に、今までは物件の立地や築年数といった物件条件を参考にして決めていたはずです。でも、「OlivviA」を使えば、最低資産価値という新しい判断材料を提供することができます。同じ売出価格の似た物件でも、競売データや公示価格、立地、住戸スペックなどの情報を元にAIが算出すれば、異なる最低資産価値が提示されます。



―最低資産価値は物件選びの指標になる。


家を買いたい人だけではなく、ローンを借り換えたい人、売却したい人もユーザーになります。不動産会社に問い合わせる前の下調べとして、「OlivviA」を利用してもらう。今後は、様々なオプション機能を提供する予定ですが、基本的には無料です。


一方、「OlivviA」に登録している不動産会社や住宅ローン関連企業には、ユーザーが検索した購入検討中または売却検討中の物件情報を匿名化した上でリードデータとして提供するような、デジタルマーケティングでの集客支援をしていきたいと思っています。


従来のポータルサイトは、物件情報を集客用のメインコンテンツにして不動産会社からの掲載課金や反響課金、成約課金でマネタイズしていますが、我々はそこの土俵で戦わず、違ったアプローチで攻めていきたい。


また、一般のエンドユーザーだけではなく、不動産仲介会社や金融機関等がユーザーとして利用することも想定しています。仲介会社の担当者が物件提案時に「OlivviA」をコンサルティングツールとしても使えるような、プロフェッショナル向けの上位バージョンも今後リリースしていく予定です。



―最低資産価値の元となる競売落札価格のデータはどれくらいあるのでしょうか。


2014年から全国の競売落札データを集計しています。マンションだけで約23,000件以上のデータを蓄積しています。恐らく、金融機関や大手の不動産会社でも持っていないデータでしょう。



―最低資産価値が競売落札価格を元としているという部分では、その価格で取引されないケースの方が多いですね。例えば一般的な売買仲介や、任意売却の場合は、「OlivviA」の価格よりも高い価格になる可能性が高い。


そうですね。


「OlivviA」はあくまでも、一番保守的に見積もったらいくらで売れるかが分かるサービスということです。


実際には、最低資産価値よりも高い価格で売れる可能性の方が高いですが、最低いくらぐらいで損切りできるかという部分が重要です。


また、買いたい人向けのAI価格査定という点では、将来の資産価値の最低ラインを予測するという部分は重要なポイントだと思います。


家を売るための価格査定サービスはたくさんありますが、買う前の物件選びの指標として将来の資産価値が高い物件を知るために「OlivviA」のニーズがあると思っています。



次のページ:競売不動産メディアを運営(2ページ目)


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