2020年07月31日
不動産テック

競売不動産メディアを運営(2ページ目)

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ワンダラス・遠藤栄一社長


―ワンダラス社は「競売マンションドットコム」というサイトも運営していますね。


2014年の秋頃から始めたサービスです。裁判所の競売データを集計して公開しています。


不動産会社に向けては「競売マンションドットコムPRO」として競売の落札価格を予測するサービスを提供しています。不動産会社が入札したい物件を調べると、落札価格の予想や近隣や同物件の過去の落札結果データなども知ることができます。


これまで現地調査から始まって数日かけて査定していた作業よりも高い精度で、参考指標となる妥当な入札価格をAIが提示してくれます。



―AIでの不動産価格推定サービスはたくさんありますが、「OlivviA」の差別化ポイントはどういった部分でしょうか。


AIは、どういったデータを学習させるか、データセットの作り方で8割方勝負が決まると考えています。


「OlivviA」は、競売結果データをメインデータとして活用して、AIの予測対象となる目的変数に「将来の競売落札価格」を設定している点が一番の差別化ポイントです。


例えば、競売物件の落札において、落札者には個人と法人が存在します。法人は、基本的に転売目的のためその時々の景気も考慮に入れた経済的合理性の範囲内で、シビアな価格で落札しています。一方、個人の場合はどうしても欲しいといった思い入れが加わって落札価格が高くなることもある。つまり個人の落札結果は当てにならないため、データセットから除外しています。


ほかにも、競売物件の場合、予測精度の向上に必要不可欠な競売データ特有の変数がいくつもあるので、これらを考慮することがとても重要です。


こういった細かいところまでを見てデータをクレンジングしながらデータセットを作ることができるかがポイントだと思っています。


競売データを使って、将来の競売の落札価格を予測するAIという分野では、現在特許を出願しており、オンリーワンの存在になれると思っています。



―競売という不動産のなかでもニッチな市場でサービスを提供するに至ったきっかけはあったのでしょうか。


もともと、大学・大学院ともに金融担保法のゼミに入っていたことが大きなきっかけです。


起業したいと強く思っており、大学院で、民事執行法という競売システムのルールを決める法律について学んでいるなかで、それをビジネスに繋げることができるのはないかと感じました。


できれば大学院卒業後すぐに起業したいと思っていたのですが、当時はエンジニアの知り合いがいたわけではなく、起業準備期間として、事業の構想を考えながら試行錯誤していました。そういったなかで、2013年に小さな不動産会社を経営していた親戚が亡くなり、会社を清算するかどうかとなったとき、私が会社を継ぎました。


その不動産会社がたまたま、競売物件を買い取ってバリューアップして転売する買取再販事業だったんです。自分が学んできたことが役にたつかもしれないと感じました。大手デベロッパー出身で宅建免許を持っている事業担当と経理の女性という社員2名の会社でした。


実際にやってみると、買取再販は資金力のある会社が強い。競売は入札保証金が必要です。たくさん入札してそのうちの何割かを落札できればよいという姿勢でできるのは大手だけ、落札できたとしても売却までに半年ほどかかる。


自分がやりたかったビジネスとは少し違うことを感じ、1年も経たずにすぐに見切りをつけて、競売コンサルティングをメインとした事業に切り替えました。


競売物件を安く買いたいという投資家や一般の方向けに競売代行を行うビジネスです。その集客の1つとして、競売物件の情報が載っているサイトとして「競売マンションドットコム」の前身となるサイトを立ち上げました。


すると、結構問い合わせがあり、高年収の方からの反響が取れました。ただ、これもマネタイズが難しかった。競売代行は落札できなければお金になりません。「いくらぐらいで落札できるか?」といった相談も、実際に査定書を作ってもお金にならなかった。また、その通りに落札できる保証もありません。事業性が乏しく、考えが甘かったですね。そこで、もっとITやAI、データを活用するビジネスを提供したいと考え「競売マンションドットコム」を作りました。



―紆余曲折があり「競売マンションドットコム」をリリースした。


実際に競売ビジネスを経験し、とてもアナログな世界だと感じました。


競売物件の落札査定は、勘と経験に寄るところが大きい。競売データがあるのであれば、もっとロジカルに予測結果を出すことができ、説得力があると考えました。そこで「競売マンションドットコムPRO」を作ったところ、上場企業にも導入されるようになりました。


ただ、競売というニッチな市場では事業が拡大しないと感じ、もっと大きな市場を狙っていけるサービスを作りたいと考え「OlivviA」をリリースしました。



次のページ:新サービスと会社将来の展望(3ページ目)


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