2020年08月21日
不動産テック

新体制になったOYOが見据えるビジネスの方向性 OYO Japan・山本竜馬社長

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遠くない将来、不動産テックによって不動産ビジネスは劇的に変化すると言われている。これまでの商慣習や仕組みが変わり、無数の新ビジネスが生まれるかもしれない。


不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、2020年7月31日に不動産事業(OYO LIFE)と宿泊事業(OYO Hotels Japan)を統合し、新体制になったOYO Japan(東京・千代田区)・山本竜馬社長に話を聞いた。


事業エリアの縮小に加えて、新型コロナウイルスによるインバウンドの激減など、OYOを取り巻く状況は厳しいように考えられる。様々な課題に、どのように取り組んでいくのだろうか。




OYO Japan・山本竜馬社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部



―ヤフーとの提携解消やコロナショックなど、OYOには厳しい状況が続いているのではないでしょうか。そのなかで、今回のOYO Hotels JapanとOYO LIFEの合併にはどのような経緯があったのでしょう。


合併したことで、なにか凄いことが起こるわけではありません。


OYO LIFEでは、これまで借り上げを基本としたビジネスモデルをやってきました。物件を借り上げる場合は、会社が持つ信用が非常に大事になります。そこで、OYO LIFEを設立するときに、ヤフーと合弁会社を作りました。


一方、OYO Hotels Japanは元々ソフトバンクとの合弁会社があり、ソフトバンクグループという枠組みのなかにありました。


ソフトバンクはOYO Hotelsを、ヤフーはOYO LIFEを見るという役割分担があり、別々の会社ができたわけです。


OYO Hotels JapanとOYO LIFEは、合弁会社のパートナーやマネジメント、従業員採用も全て別々に事業を進めていました。それぐらい注力してやらないといけない事業だろうと、設立時に考えていました。


そこから1年以上経ち、OYO LIFEの認知が業界のなかでは非常に広まってきました。ヤフーと一緒だから信用する、といったことではなくなり、個の会社として価値を問われるフェーズになりました。


そこで、2つの会社で別々にやる意味がないというのが、今回の合併にいたるスタートポイントです。そもそもOYOのグローバルでは、1つの国で2つの会社を運営しているというのは日本以外ありませんでした。



―山本社長はOYO LIFE(運営会社:OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN)の日本代表でした。前任は勝瀬博則氏です。事業に対する両名の違いあったのでしょうか。


前任の勝瀬氏は、物件を増やす営業に力を入れていました。

ヤフーとの提携を解消したぐらいの時期に、物件を拡大するのは一旦やめようという方向性が決まり、とにかく入居率を上げることにシフトしました。


そのときに、客付け側のリーダー、グロースヘッドをやっていたのが私でした。コンシューマ側のテクノロジーやデマンド、マーケティングといったことに取り組んでいました。



―勝瀬氏がいたとき、OYO LIFEを全国に広げ、ユーザーのマーケティングデータを取り、さらに「OYO PASSPORT」を拡充させることで、新しい住生活の文化を作ることができれば、事業がスケールするといった構想がありました。そこから一転して、きちんと収益化していく、強化していく方向になった。


そうですね。

あと、この1年でサービスをコンシューマに認知していただくには、とても時間がかかることを痛感しました。Amazonで本が買われたように、賃貸もオンラインで借りるようになりました。物件をわざわざ見に行かなくなる。「これが次世代の住生活だ」という未来は正しいと思います。しかし、これが認知されて、人々が「いまどきこうだよね」と定着するにはもっと時間がかかると感じ、急いで拡大することのメリットがありまりないということを学びました。


だからむしろ、コンシューマに向けたウェブやアプリといったプロダクトそのものの強化や、事業モデルや収益性をきちんと作り上げることが大切だと思いました。同じ意味合いでホテルと融合することによって、OYO Hotelの長期貸しやOYO LIFEとホテルの相互送客、スケールよりも中身をきっちり充実させていくということに、今後1年ぐらいはフォーカスしなければダメだと思っています。



―認知に時間がかかる、サービスの作り込みが大切といったことは、どういった経験からの教訓でしょうか。


1つ目はマーケティングです。コンシューマには必ずアーリーアダプターと呼ばれる人がいます。しかし、不動産は高価格帯です。無料で使えるアプリやサービスのように、アーリーアダプターが簡単に参加できるものではありません。


アーリーアダプターのなかで、本当に利用してくれる人と様子見の人が出てくるのは不動産特有のものでしょう。


2つ目は、不動産は信頼や確実性がなければダメだということです。アプリが落ちる、アプリが使いにくいとか、他の業界のアプリは不具合やアプリが落ちてしまうことって頻繁にあります。でも、不動産で同じようなことがあるとご利用のお客様は心配になり、不安に繋がります。プロダクトが完璧でなければいけない。


3つ目は業界との付き合い方ですね。管理会社や不動産オーナー両方ですが、現場に出ているスタッフがまだまだ素人で「不動産については勉強中です」、ビジネスモデルや顧客対応も「勉強しながらやっています」ということは、不動産業界では許されません。


こういったことから、アグレッシブに攻めて、時には傷を負いながらも走っていくということがやりにくい分野であることは確かですね。


他業界のプロダクトは、未完成のまま始まることが結構多く見受けられます。そして1年、2年経ってどんどん磨かれていきます。しかし、家を借りて、部屋に入ったら清掃もされていなかったということとは、インパクトが全く違います。そこの完璧さをより求められていることは痛感していましたね。



―コンシューマに対して不十分なサービスを提供している部分があったということですね。


間違いなくありましたね。



次のページ:ホテルの稼働率が全国平均よりも高い理由(2ページ目)



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