2021年01月08日
不動産テック

Luup・岡井大輝社長 モビリティインフラで不動産価値を上げる

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不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、マイクロモビリティのシェアリング「Luup」を提供するLuup(ループ:東京・港区)・岡井大輝社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)



Luup・岡井大輝社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部


―Luup社の事業と展開するサービスについて、教えてください。


私たちは、短距離移動のモビリティ(交通)インフラを創設することを使命に事業に取り組んでいます。電動小型モビリティのシェアリングサービス「Luup」を2020年5月から展開しています。現在、小型電動アシスト自転車を用いていますが、将来的には電動キックボードなどの新しいモビリティも導入予定です。


「Luup」は、ただ便利なシェアサイクルや利益の出るシェアサイクルを目指しているわけではありません。駅から離れた不動産の地価・価格が変わるほどのインパクトを作ることが目標です。


新しい物件の分譲を始めるとき、バスがどれぐらい通っているか、駅からの距離はどれくらいかといったモビリティに関する説明は必要不可欠です。しかし、東京のように交通網が発達した街であっても、駅やバスの停留所から家までのラストワンマイルの距離を埋める手段はありませんでした。


「Luup」は電車やバスから降りてから家までの短い距離を繋ぐモビリティサービスです。都内の物件の場合、駅やバス停から電動モビリティを使えば、ほぼ全エリアが10分圏内になります。駅から離れていても、不動産価値を「駅徒歩10分」と同等にすることができると考えています。


レインズで、シェアサイクル導入の有無、シェアサイクルの稼働率やオペレーションの状況などが新たな指標として重視されるくらい、不動産価値の一旦を担える世界を目指しています。



―どんなビジネスモデルを設計しているのですか。


シェアモビリティのユーザー利用料ではなく、シェアモビリティによって利便性が上がり、不動産や街全体の価値を上げていく方向を目指しているので、当社のサービスが起点で生まれる経済効果の一部を利益に還元するビジネスモデルを目指しています。


鉄道会社と同様のモデルですね。鉄道会社の決算報告資料を見ると、切符販売で大きく儲けているわけではありません。乗客の切符代は限りなく安く提供して、沿線上の不動産価値や経済効果を上げることで利潤を生み出して、自社利益に還元しています。


我々も、現在ユーザーから150円~200円ぐらいの利用料をいただいています。これを300円に上げる努力をするのではなく、どんどん安くすることで利用者を増やし経済活動を起こすことで何かしら周辺の利幅を得られると考えています。例えば、駅から離れた隠れ家的なホテルに電動モビリティで宿泊客が到着したら、ホテルから100円が自社に入るというような仕組みをイメージしています。



―他のシェアサイクル事業者との違いは何でしょうか。


現在、当社では、渋谷区、目黒区、港区、世田谷区、品川区、新宿区の6エリアの一部で、200ヵ所以上のポート(シェアサイクルの設置場所)を設置しています。半径300~400メートル圏内に1ヵ所の設置を目安に、非常に高密度でのポート設置を進めています。



「Luup」のポート 撮影=リビンマガジンBiz編集部



一般的には、ユーザーの多いオフィスビルなどにポート設置を絞って、収益効率を上げるのがセオリーで、設置場所を増やすと利益率が落ちてしまいます。ですが、私たちが目指す不動産や街の価値向上のためには、街全体にポートを点在させる必要がある。


また、1ヵ所あたりの設置台数は、他社では15台ほどがメインですが、当社は5~6台と少なめです。小規模のポートが多数あることで、当社独自のアルゴリズムをもとに、新規設置や撤退、入れ替えなどのアップデートを素早くできるのがメリットになっています。



次のページ:不動産会社との提携や連携が増えている(2ページ目)



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