2021年04月02日
不動産テック

カローゼット・内藤丈裕社長 無料のシェアサービスが豊かなコミュニティを形成する

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不動産テックに関連する企業経営者や行政機関などに取材し、不動産テックによって不動産ビジネスがどう変わっていくのかを考えてみる。


今回は、個人の所有物をクローズドなコミュニティで貸し借りするプラットフォーム「Rentastic!(レンタスティック)」を提供するカローゼット(東京・港区)の内藤丈裕社長に話を聞いた。(リビンマガジンBiz編集部)




カローゼット・内藤丈裕社長 撮影=リビンマガジンBiz編集部



―カローゼットの事業内容について教えてください。


カローゼットは、2018年10月に電通グループの100%出資で設立された会社です。電通の社員だった私が社内ベンチャーに近い形で創業しました。


現在、「Rentastic!(レンタスティック)」というWEBプラットフォームサービスを運営しています。「Rentastic!」は、企業内やマンション内など一定の信頼関係のある人たち同士がクローズドなコミュニティ内で、個人の所有物(アイテム)を無料で貸し借りすることを支援するものです。事業者に従業員や住民間のコミュニティ醸成を目的に導入いただく、BtoBtoCのモデルになっています。


世の中には様々なシェアサービスがありますが、金銭支払いによって特定のモノを持っている人が持っていない人に貸すというものがほとんどです。しかし、それは本当の意味でシェアではないと感じていました。金銭授受なく互いに持っているものを貸し借りできる仕組みこそが、シェアと呼ばれるべきなのではないかと考えています。



―「Rentastic!」は、お金が介在しないシェアリングサービスとのことですが、どのような仕組みで運営しているのでしょうか?


自分の所有物(所持品)を貸した日数に応じて、「Renta!」というコミュニティ内で使えるコインが付与されます。そのRenta!を使って、他の人が貸出登録しているモノを、結果的に無料で借りられるという仕組みです。ギブアンドテイクのスキームと言えば分かりやすいでしょうか。



Rentastic!」 画像提供=カローゼット



ユーザー登録時に5Renta!が自動付与され、貸すモノを登録するとさらに10Renta! が付与されます。またアンケートに回答することで追加のRenta!が貰えるなどの取り組みもスタートしています。それでも足りない場合には、誰かにアイテムを貸すことでRenta!を手に入れる必要があります。


Renta!を購入することも可能ですが、1Renta!=1000円と少し高めに設定しています。「相互扶助」のカルチャーを重視し、貸し借りの流れが自然と生まれるように配慮しているためです。


弊社では、この「自分の資産を貸した時間分だけ、他人の資産を借りる権利が与えられる」仕組みで特許を取得しました。当社独自のスキームとして展開できるのが大きな強みとなっています。



―モノの貸し借りのサービスをやろうと思い立ったきっかけは何だったのでしょうか。


当社は、もともと車を貸し借りするシェアリングサービスからスタートしたのですが、直後にコロナが起きて事業環境が急変しました。お出かけ需要が激減してしまったため、すぐに事業ピボットをし、サービス設計や開発、クライアント開拓など、さまざまな準備を経て、2021年1月に「Rentastic!」をリリースしました。


当初のサービス起案のきっかけは、私が車で雪山に行ったときの経験が原点になっています。スタッドレスタイヤを買うか、レンタカーを数日借りるか検討したのですが、どちらもそれなりのお金がかかってしまう。「たった数日だけなのに・・・何だかもったいない」と感じました。


そこで、ウィンタースポーツをやっている弟にお願いして、スタッドレスタイヤ付きの車を借りることにしたんです。代わりに弟には私の車を貸しました。


実際に貸し借りしてみて、すごく助かりましたし、お金をかけずにギブアンドテイクで解決できたことに感動すら覚えました。その瞬間にふと頭に浮かんだのが「向こう三軒両隣」という言葉で、隣人同士の相互扶助が当たり前のように行われていた時代は良かったんだろうな、と。改めて、これは日本人らしい素晴らしいメンタリティだと気づきました。


このときの原体験を、当社のビジョン「相互扶助という日本人らしいメンタリティに支えられた素晴らしい文化を、ITの力で現代風に蘇らせる」に反映させました。



次のページ:「Rentastic!」の収益モデルとは(2ページ目)



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