訳あり物件専門家 白石 麗花です。

「縁起悪いよりも家賃安い」というテーマで

新聞社から取材の依頼を受けてから早いもので4年の月日が過ぎました。

当時は訳あり物件、アウトレット不動産などを取り扱っている

不動産会社は今ほど数はありませんでしたし

~大島てる~の代表と新宿のトークショートでご一緒してから

テレビやセミナーで声がかかるようになり

事故物件の不動産屋というイメージが確立されていきました。

この位置づけは私の本意とは少し異なります。

訳あり物件を取り扱っていると住宅環境が事故物件や

訳あり物件を誘発しているということが理解できるように

なりましたし、それらの誘因を取り除くことで

事故物件や訳あり物件を減らすことができる

ということで

大きく分けて三つの改善のアドバイスをしています。

1 経済の改善

2 身体の健康改善

3 精神面での改善

人生の中でさまざまなアクシデントに見舞られたとき

何が一番の選択なのか

1人で考え込まずに誰か親身になってくれる人が

いることで事故物件は減少します。


先日、テレビの番組制作の方から連絡がきました。

大島てるさんのご紹介で連絡いたしました。

事故物件、訳あり物件を探しています。

という問い合わせが本当に多くて

「きゃー気持ち悪い」

「こわーい!」

という感情を引き出し人の好奇心をあおる番組を作成すことが

視聴率を上げることなのでしょうね。

ものすごく憤りを覚えますが

人の死や見えないものに人は

~怖いもの見たさ~

の欲望があることも事実です。


リストラ退職者の任意売却事例     

             

川崎市内のマンションに居住のTさん。

銀行より住宅ローンを借り入れしマンションを購入したものの、

返済のめどが立たなくなり相談に訪れました。

      事情をお聴きすると、3年前に勤めていた大手家電メーカーを退職され

  会社の業績不振により早期退職(いわゆるリストラ)を勧められ、

  職場における人間関係がうまくいっていなかったこともあり、

  会社の勧める通り早期退職に応じたという。 

             

  退職後、Tさんは自身のキャリアを生かした仕事に就くべく新しい就職先

      を探したが、再就職の市場は厳しく、何度も面接を受けては採用されないと

      いったことを繰り返すうちに、職探し自体をあきらめてしまったらしい。

        その後、人と接すること自体を恐れるようになったTさんは、勤務先を退職し

         た後の3年間、新しい仕事に就くどころか、アルバイトさえせず、病気で体

         調のすぐれない奥様と二人でマンションに住み続けた。

             

   退職時にいくらかの割増退職金を受け取ったが、それを夫婦の切り詰めた

         生活費に充てつつ、銀行ローンの返済も遅れずに払っていたとのこと。

             

   しかし、とうとう退職金も底をつき、といっても新しい仕事に就くことも

         できず、当社へ相談に訪れたのだった。

          Tさんのマンションは駅に近く築浅であったこともあり、売却先を探すの

           は簡単だった、ただし、収入も貯金も全くない以上、マンションを売ってか

           ら住むところがない。

    働く気がないのかと、よくお話を聞いてみたところ、

             やはり人間関係に起因するトラブルを極端に恐れるようになっており、今の

              ままでは、自身で生きていくこと自体が難しいと思われた。

              また、同居中の奥様も病気を患っておられるご様子。

    Tさんの同意のもと

              役所に対し生活保護の申請準備の折衝を行いつつ、所有マンションの任意売

              却に着手、生活保護受給を条件とした賃貸入居先のあっせんを進めた。

              物件売却前の生活保護の役所に対しての申請は極めて難しい折衝であったが

              何とか申請承認の目途がつき、併行して行っていた銀行への

     担保解除折衝も完了しTさんは物件を売却。

     生活保護手当を受給しながら賃貸アパートへ転居することができた。

             

               生活保護の申請は、役所によってハードルの高さが違うので、

      結構大変ですね。

               あとは、新しく住む先を探すのも、事情によりかなり厳しいものが

      あります。

            

             

               相談に来られる方、それぞれの事情があります。

               あらゆるケースで解決の道筋がすぐに決まるというわけではありません。

               でも、必ず、方法はあるはずです。

               あきらめずに、一緒に歩く方向を探していきたい、そう感じさせてくれた

               事例でした。

        

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