訳あり物件専門家:白石麗花です。

今年もいよいよ残り1ケ月ですね。

この師走からコラムにチャレンジすることになりました。

~第1号~

訳あり物件と聞くと自殺や孤独死など、気味が悪い、怖い、といった印象を強く持たれることでしょう。

孤独死は腐敗臭に気づいた近隣からの通報で発見されることが多く、遺族をはじめ住居の所有者は困惑します

孤独死や自殺が頻繁に起こる、そんな時代背景に伴い特殊清掃業や遺品整理業など以前にはなかった専門の業者も随分多くなりました。

孤独死は高齢化に伴い比例していると考えがちですが、実は高齢者に限ったことではなく働き盛り世代の孤独死が多いことに驚きます。

結婚しない人の割合が増える一方で離婚件数は増加しており、今後ますます独居生活の方が増え続ける時代になりました。

孤独死は高齢者ばかりではなく働き盛りの年齢層にも多く、社会との交流がないわけでもない方の突然の孤独死が増えているのです。

↑末期がん独居老人の孤独死したマンション居室から見える風景

歳をとったから、病気になったから人は亡くなるのではなく

死もそれぞれの事情で訪れ自分の予測を超えて最期の時はやって来る。

そんな時代に備えていつかは訪れる自分の最期の時は誰に世話になるのか、誰に世話になりたいのか、

どんな人生の閉じ方をしたいのか。

「死」というものを見つめることが、「生きる」という時間を大切にすることに結びついています。

写真は

独居生活していた父親を亡くした息子さんからの、不動産売却の依頼のご相談でした。

末期癌による室内での病死で、亡くなってから発見までに2週間くらい経過していたようでした。

室内は特別荒れた様子もなく悪臭もしませんでした。

相続人である息子さんは近くのマンションに別所帯を構えていましたが、

亡くなってからしばらく経ってしまったことに自責の思いがありました。

会話が乏しい方でしたが

経済的に余裕がない父親が葬式代にあたる現金を室内に置いてあったことから

父親の想いをくみ取ったようです。

「頼む」

そんな想いが室内から伝わってきました。

孤独死ではありましたが故人のあふれる想いを受け取ることができた息子さんを見て、生前の親子関係を感じ取ることができたのです。

訳あり物件にはその数だけドラマがあります。

気味が悪い、怖い、といった印象が少し外れていただけたでしょうか。

お困りごとはご相談ください。

 

 
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