1:ハイサッシってどんなサッシ?


ハイサッシとは床から天井の高さまであるサッシのことです。高層マンションやおしゃれなカフェなどで見かける大きな窓枠をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。

ハイサッシは高さがあるため一つ一つの窓が大きく、普通のサッシに比べ開放感があるのが最大のメリットです。また、採光・眺望が良いのもハイサッシのメリットとして挙げられます。



2:ハイサッシは昔の高層マンションでは不可能だった?


今でこそ高層マンションで当たり前のように見かけることができるハイサッシですが、昔はサッシを高くすることができませんでした。高層マンションの主流であるラーメン構造は梁下にサッシを設置する都合上、梁が出ている分だけサッシの高さを低くしなければいけなかったのです。

ですが、逆梁アウトフレーム工法という梁の位置を変えた工法が確立されたことにより、高層マンションでもハイサッシを使うことが可能になりました。



3:ハイサッシのデメリット


開放感があって採光も良いハイサッシですが、すべてにおいて良いかというと決してそうではありません。これからハイサッシの不動産を購入しようと思っている方は、きちんとデメリットも理解しておくことが大切です。

<ベランダ・バルコニーが狭く感じる>


高層マンションでハイサッシを使っている場合、ほとんどが逆梁アウトフレーム工法を使っています。先に述べたように逆梁フレーム工法では室内に梁が出っ張らない構造になっています。では、梁はどこにあるのでしょうか?


実は逆梁アウトフレーム工法ではベランダ・バルコニー側に梁があります。ラーメン構造のマンションではベランダ・バルコニーの手摺が床から設置されていますが、逆梁アウトフレーム工法では梁の上から手摺が設置されている場合がほとんどです。


一概には言えませんが、ベランダ・バルコニーに施工された梁は膝下ぐらいまでの高さがあることが多いため、ラーメン構造のように床上から手摺が設置されている場合と比べると、ベランダ・バルコニーの開放感が損なわれてしまいます。

<採光が劇的に良くなるわけではない>


もしかするとあなたを担当する不動産会社の人は、ハイサッシの採光の良さを猛烈にアピールするかもしれません。確かにハイサッシのメリットの一つに採光の良さを挙げることはできますが、ハイサッシにしたからといって採光の良さが劇的に変わるのかと言われるとそうではありません。

物件の位置や建物の向きによっては従来のラーメン構造で使われる普通のサッシの採光と、ほとんど変わらない物件があるというのも事実なので覚えておいてください。



まとめ:自分の目で確認するのが一番


従来のラーメン構造のマンションでも採光が良いお部屋はたくさんあります。もしかするとあなたが望んでいる採光の良さや開放感は従来のラーメン構造の物件でも問題なく実現されるものかもしれません。とすれば、逆梁アウトフレーム工法の物件にこだわる必要はなく、ラーメン構造の物件にすることで購入費用を抑えることができる可能性も考えられます。

確かにハイサッシは眺望が良好で、開放感もあります。ですが、ハイサッシの理論上の特徴やハイサッシを使ったお部屋の写真などを鵜呑みにするのではなく、日当たりの良い時間帯に内覧し、自分の目で比較・確認してみるのが一番良いでしょう。

 
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