不動産を売却するとき、多くの人は仲介業者に諸々を依頼すると思います。

もちろん、仲介業者に頼まないと不動産が売れないというわけではありません。

知人があなたの不動産を買いたいと申し出ており、ローンのあれこれに詳しく、親が司法書士をやっていて、自分は宅地建物取引士の資格持ち、なんて方なら仲介業者を介さずに不動産売却を何の問題もなく完了できることでしょう。

しかし誰もが金融や不動産に明るいハズもないので、不動産売買のあれこれを一手に引き受けてくれる仲介業者の存在はありがたいものです。

逆に、契約した仲介業者次第で不動産の売却が天国にも地獄にもなりうるわけですから、業者選びは慎重にいきたいところです。

とはいえ日頃は仲介業者と無縁の生活を送っているので、どんな業者を選べばいいのかわからないのも事実です。

というわけで、ワタシがマンションを売ったときに出会った仲介業者を紹介します。

勢いが良過ぎるA氏

今のご時世、不動産屋とはまったく面識がなくとも、インターネットで多くの業者に査定を依頼できるのでありがたいですね。

ワタシもあちこちのサイトをふらふらし、超有名大手業者から地元密着不動産屋さんまで一括で簡易査定を依頼しました。

寝る直前にスマホでポチッとして「マンション売却であれこれ悩むのは、今日はここまで!」と布団を被ると、電話がかかってきました。

……夜の10時に。

この時間にいきなり電話って。

と不機嫌になりながら出てみると、先ほどポチッと査定依頼を送信した業者のひとつでした。

そりゃまあポチッとから5分も経っていないから起きていますがね。それにしたって緊急でもないのに夜の10時に電話されるのは愉快なことではないです。

夜とは思えぬハイテンションの電話相手(A氏とします)は「査定依頼ありがとーざまーす!」から始まって、今回売却する部屋のスペックについてあれこれ質問してきました。

……築年数も階数も平米数も、問合せフォームから入力したんだけどな。

うんざりしたワタシがテキトーに受け答えしているのに気づかないのか、それとも気づいて敢えてなのか、A氏はエリアの相場だの坪単価だのを滔々と説明し始めました。

このネット時代、自分のマンションの相場や坪単価くらいは、ちょろっと検索すればヒントは山ほど出てきます。

しかもワタシは素人ながらもマンションのチェックが趣味。地元のマンションウォッチを十数年間続けており、ヘタな営業マンよりも値動きについては把握しています。

てなわけで、A氏が説明してくれることくらいは既に承知していました。当然聞いていてもつまんないです。

しかしA氏は「いち早くお客さんと接触すれば契約に持ち込める!」という信念があるらしく、ぜひぜひウチで! と勢い込んできます。

こちらとしてはA氏に頼んだときのメリット、他社ではできない販売戦略を教えてもらわないことにはA氏とは契約できません。

ということを突っ込んで訊くには、眠た過ぎる時間でした。

そんなわけで、ほかの業者さんの査定も聞いてから決めますハイハイとテキトーに切り上げて電話を切ってしまったのでした。

もちろん、その後A氏と契約はしていません。

ちょっと○○が……なB氏

一斉査定依頼のポチッとから一夜明け、まともな時間に電話をかけてきたのがB氏です。

B氏は大手のマンションディベロッパー系の仲介業者で、何人かの知人がそのマンションに住んでいることもあり、何となく期待を寄せていました。

B氏も坪単価などを電話口で簡単に説明しましたが、ぜひウチと契約してー! とゴリ押ししてくるでもなく「詳しくは訪問査定で拝見してから」とソフトな印象です。

というわけで、B氏に自宅へ来てもらうことに。

声や話し方ではソフトでスマートな印象のB氏でしたが、一目見た瞬間に「なんか、だらしない人だなー」と思いました。

というのも暑い時期でもないのにノーネクタイで、よれっとしたシャツと肩幅の合っていないジャケットを着ていたからです。営業マンでこれか……。

査定の様子も「えっ、それだけでいいの?」というくらいサッと見ただけでした。

もっと瑕疵がないかきっちり見た方がいいんじゃないの? 間取りとかしっかりチェックしなきゃいけないんじゃないの?

というのは素人考えで、後から何件かの訪問査定やその方法を見ると、立地の良し悪しや図面から読み取れる情報で算出できてしまうので室内の汚れ云々辺りはどうでもいいみたいですね。

そのときはまだ細かい査定方法を知らなかったものですから、B氏のサッと見るだけの査定にドキドキしました。

B氏の査定額は「これくらいの金額で売れたら、まあ納得かな」というカンジ。

その額だけ見たらB氏にお任せしても別に問題はなさそうです。

ただ、B氏はワタシのマンションのエリアは不得手らしいです。近隣で成約事例はほとんどないとのこと。

これもワタシは驚きました。地域密着の小さな不動産屋ならともかく、全国展開している有名業者ならどのエリアでも万遍なくイケると思っていたのです。

不得手な人にわざわざお願いするほどワタシも余裕がないので、これは大きなネックになりました。

何より気になったのは、B氏がタバコくさかったことです……。

えー! そんなこと?! と思うかもしれませんが、この先何度も自宅に来る人が苦手な臭いってのは苦痛なんですよー!!

というわけでB氏にはお断りを入れました。

続きは《後編にて!》

 
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