こんにちわ、不動産コンサルタントの佐藤毅史です。

今日は、シリーズ恒例(!?)となりました、鈴木ちひろさん(仮称)の不動産売却に係るご相談現場の事例より、不動産売却に際しての依頼会社の正しい選び方についての考え方を見ていきたいと思います。

本日は3回目です。

前回コラムを見落とした、又は、未だ読まれていない方はこちらより。

【マイホームを高く・早く売却するためのコツ】(第1回):大手不動産会社に依頼すれば安心ですか?



【マイホームを高く・早く売却するためのコツ】(第2回):営業年数の長い会社に依頼すれば安心ですか?



では、第3回目の相談現場を見てみましょう。


ちひろさん(以下ちひろ):

「佐藤先生、こんにちわ。前回と前々回の相談経緯より、免許証番号の数値大手等のネームバリュー等の幅が利く社ではなくて、そこで働く営業マンの力量等を推して測るべしということが分かりました。今回はその続きで相談させていただきます。」

「実際にマイホーム売却にあたって、不動産会社3~4社に問い合わせをして、査定を依頼したところ、各社各様といいますか非常に査定金額にばらつきが出ました。特にある1社は、他社よりも30%も高い値段で売却出来ると強気の姿勢で話をされています。愛着のあるマイホームですから、高く売りたいのは当然ですが、この会社を信用して大丈夫なのでしょうか?」

※写真はイメージです(強気な営業マンっていますよね、ちひろさんも佐藤も苦手です・・・)

佐藤毅史(以下佐藤):

「ちひろさん、こんにちわ。少しずつ不動産売却に際しての注意事項等が理解出来る様になってきたようですね!素晴らしい。」

「さて、本日の相談ですが・・・。」

『結論から言えば、査定見積を依頼した不動産会社の中で他と比較して明らかに乖離した高値で売れるという業者の言葉は信用しない方が無難

といえます。

「理由ですが、それは専任媒介契約を締結してお客の囲い込みをしたいという不動産会社都合の意図が垣間見えるからです。」

 ここで、言葉の意味について簡単に説明します。

 「不動産を売却する場合、売主と不動産会社の間で売却に掛かる委託契約(媒介契約という)を締結します。この時、売主が売却依頼する不動産会社を複数社としてもOKとするのが「一般媒介契約」といい、売主から複数の業者に重ねて依頼することを禁止する(特定の1社のみ)とする場合を専任媒介契約といいます。」

 どちらが良い悪いについては、次回解説しますが、

 「基本的にはどこの不動産会社も取りっぱぐれがなく、成約すれば確実に手数料が貰える専任媒介契約を締結することを推奨してきます。全国展開している大手不動産会社の仲介会社では、

『専任媒介契約が当然でそれ以外はやらない!』と言わんばかりに強気でふんぞり返った態度をするケースが少なくありません。初めて不動産売却をする人や、最初に行った不動産会社が大手の場合には、そのような態度で来られるので下手にこのペースに乗せられないように注意したいところです。」

 では、何故高値で売れると提示するのでしょうか?

 ありもしない高値(売主はそのことすら分かっていない)で売れると提示すれば、売主は、

 

 『こんな高値で売れるのか、期待出来るぞこの会社は!!』

 という淡い期待を抱くのは当然ですが、それこそが不動産会社の術中と云うやつなのです。

 仮に、当初は3,000万円(適正売却価格が2,400万円)という、査定依頼した業者の中でもっとも優位な価格を提示した会社と専任媒介契約を締結したとします。

 不動産会社は、「売りに出してみたが、景気が良くない事もあるが、時期や場所もイマイチである。建物はドンドントレンドが変わり、この価格では難しいかもしれない。少し下げてみますか?2,600万円位に?」

 と云うことで、売り出し価格を下げて、再販します。そこで買主が現れて、最後の押しのプッシュで値引きに応じたら、気付けば2,400万円ということで、他の査定業者の価格と同じだった・・・。

 こんなことになってしまうことが、非常に多いのです。」

 つまり、『羊頭狗肉」作戦というやつです。

 「高値で売れると売り客を信用させて誘引し、専任媒介契約を締結してからは不動産会社のペースで販売価格をじりじりと下げていく。気付けば、結局市場価格(他の業者の査定価格)と同じだった・・・」

 「こうならないためにも、やはり、不動産市況や売ろうとする不動産の取引相場を知ることは極めて重要なのです。高値提示の業者の査定価格は要注意と覚えておきましょう!!」


ちひろ:「そうなんですね!知らなかったです。高値で売りたいという売主の淡い期待に漬け込む悪い不動産会社が存在すると言う事実を踏まえて、売却依頼する不動産会社を選定したいと思います。佐藤先生、ありがとうございました」


佐藤:「どういたしまして、また何かあれば遠慮なくご相談にお見え下さい」

 
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