先の見えない不動産業界、今のままの営業手法で売れ続ける確証はどこにもない。

不動産ビジネスのプレイヤーとして、是非持っておきたい考え方が「広報脳」だ。

「広報脳」とは、あらゆる確度から商品をプロデュースする能力だ。マスメディアや媒体に露出できるかにとどまらず、物件案内時の演出や、提案方法にも大きく関係している。

「広報脳」とはどういったものなのか。

企業の広報PRを支援するシェイプウィン(東京・渋谷区)の神村優介代表の事例とともに紹介しよう。

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【問題】あなたならこの商品をどうプロデュースする?

いきなりだが、問題だ。




あなたは、おもちゃメーカーに勤めるプロデューサー。

今回、家庭でも夜空を楽しめるプラネタリウムをプロデュースすることになった。

暗くした部屋で、天井に夜空を照射して楽しむ大人向け玩具だ。

限られた予算のなかで、夜空は1パターンしか用意しないことが決まっている。

では、何月何日の夜空を映せば良いのだろうか


シェイプウィン・神村優介代表は、玩具メーカーのセガトイズで商品プロデュースやマーケティングを担当していた経歴を持つ。

実際に、プロデュースした家庭用プラネタリウム「ホームスターアクア」は、年間15万台売れる大ヒット商品になった。

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セガトイズ(SEGA TOYS) (2010-01-21)
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まさに「広報脳」を使った商品プロデュースによって、各メディアで取り上げられたことが大きな要因だったという。


先ほどの問題に戻るとしよう、何月何日の夜空が良いのか。

神村代表の答えは77。七夕の夜空だ。

~神村代表の解説~

 七夕は、7月7日の夜ことで、織姫や彦星と入った星に関係した節句です。

ただ、7月7日は梅雨の時期で、綺麗な夜空が見える可能性は低いでしょう。

そこを逆手に取ります。

例えば、七夕の日に雨が降っていたら、テレビの天気予報で「今日は雨で天の川が見えませんね。でも、これがあれば大丈夫」といった方法で、商品が取り上げられやすくなります。「雨の日でも七夕に間に合うアイテム」といったかたちで取り上げられる可能性もあります。

つまり「こういったコンセプトがあれば、メディアに紹介されるね」という視点が重要です。

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このような「広報脳」は、不動産ビジネスにも活用できる。

例えば、物件内覧のシーンだ。

神村代表は、「ふざけた案」という前置きをしたうえで、「物件内覧はリムジンでやる」という企画をジャストアイデアで考える。

 物件内覧をリムジンで行っている企業があれば、一度は乗ってみたいと感じる人は多いのではないでしょうか。

 

特に賃貸物件を探す学生や若者は、それだけで興味があるでしょう。リムジンで着いた物件がボロい物件だったら、より面白いと感じるはずです。テレビなどでも取り上げられる確率は高いと思います

 

レンタルすれば、リムジンのチャーターはそれほど高いものではありません。曜日や日を決めて予約制で行えば、さらにコストを抑えられます。それだけの費用で、話題を呼べば、効率の良い広報PRだと言えますね。


突飛な企画に感じるかもしれないが、理由に説得力がある。

また、メディアに取り上げられることを目的にしなくとも、神村代表は「広報脳」が重要だと語る。


 賃貸・売買を問わず、物件紹介の際に重要なのは、住んだ後の生活を想像させる演出です。

内覧時には、廊下を綺麗に保ち部屋の明るさや、水回りのカビの有無でも印象が異なりますよね。こういった細かい演出がきちんとできれば、決まる確率も高まります。

また、賃貸物件では、未だにユニットバスの物件は非常にもったいないと感じます。ポータルサイトの検索条件で落とされてしまいますから。それを変更するだけで、集客の可能性は上がります。


「広報脳」はあらゆるビジネスシーンで活用できそうだ。

では、不動産会社がさらなる広報PR活動を行うために広報担当を設ける際、適任者はどういった人物像になるのだろうか。シェイプウィンでは企業の広報担当育成も行っている。

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成功に導く広報PR。広報担当者の条件

神村代表によれば、企業の広報担当として求める条件は3ポイントに絞られる。

様々なビジネスを知っている人

広い目線を持ち、あらゆるビジネスに対して造詣が深いことが重要だ。「うちは、こういった企業とコラボすれば、シナジーが生まれる」といった事業戦略的な考えを持つことが重要だという。

社内から頼られる、人望が厚い人

「取材させて欲しい」という問い合わせがテレビなどから来る場合がある。例えば、「番組の企画で面白い物件を紹介したいので、物件を紹介してほしい」といったものだ。

当然、物件の情報を知っているのは営業担当者だ。しかし、営業担当者はメディアが希望する物件を紹介したとしても、一切自身の成績や成果の足しにならない。

成果と関係のない業務をどうやってやらせるのか、協力したくさせるのか。そこで、他部署と持ちつ持たれつの関係を築く「社内リレーション」や、広報担当者の人望が重要になってくる。

精力的に課外活動をやっている人

メディアの人間や記者は、面白い話ができる広報担当者を好む。

「登山や飲み屋回りなど、何でも良いので誰にも負けないモノがあれば、メディアとのコミュニケーションが円滑になります。そのためには、休日や仕事後にも課外活動を行い、情報を収集することが必要です」(神村代表)。

不動産会社は広報PRが根付きにくい業界?

シェイプウィンでは、不動産会社の広報PRコンサルティング実績はない。

問い合わせや相談は多いものの、企画や施策が実現するには難しい業界だという。

「社長はなにかやりたいと考えるのですが、社員は実現させることができません。社員にはノルマがあるからです。社長から「面白いことやれよ」とせっつかれても、ノルマで精一杯で考える暇なんてありません。不動産業界はなおさら難しい」(神村代表)。

では、不動産業界には広報PRは不要なのか。

神村代表曰く、「そんなことはない」。

 今後は不動産業界でも、様々な部分で広報PRが必要になるでしょう。

業界は大手が伸びていて寡占状態です。また、大手や中小でも基本的には業務内容は似ていて、差別化が難しい。そこで広報PRが重要になってくるのです。


広報PRは、不動産業界にとどまらず今後の企業戦略や差別化の手段として注目されている。どのような企画や手段があるのか。シェイプウィンに問い合わせてみよう。

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