2016年12月27日
司法書士 塩足昌弘

不動産売買と登記のおはなし(その2)

司法書士 塩足昌弘

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こんにちは。司法書士の塩足です。

 

前回に「次回につづく!」と言っておきながら間が空いてしまいすみません。

なお、一応この後おさらいしますが、前の記事をお読みでない方は是非一度お目通し頂ければ幸いです。

 

さてさて、12月に入り、何かと慌ただしい時期が続いておりましたが、

前回にも触れたとおり、不動産の取引の分野においても、それは例外でありません。

今年は、22日と26日にとりわけ不動産売買の決済が集中していたように思います。


その不動産の売買に基づく登記の申請、

これは決済日の当日に行うのがほぼ必須といって差し支えありません。


万一、司法書士がこれを違えてしまうと、当事者である銀行や不動産会社からは出入り禁止

下手をすると損害賠償の問題にも発展しかねません。実に恐ろしい話です。

 

なぜこんなことになりかねないか、というと、そこには民法という法律で対抗要件主義という考え方が

採られていることに起因しているからであろう・・・ここまでが前回のお話でした。

 

対抗要件主義とは、既に当事者間にて成立した法律関係や権利関係を

当事者以外の第三者に対して対抗するためには、登記や引渡しを必要とする、という考え方です。

不動産売買取引に即してもっと平たく言ってしまうと、

購入した不動産の権利を他人に主張するためには、登記をしなければならない、ということになります。

 

そもそも、モノの権利は、複数の人間に売り渡すことができます。二重譲渡というものです。

民法を学んだことがある方であればご存じだと思いますが、

一般の方の感覚からすれば「え?マジで?」って感じですよね。

その感覚は至極当然なものでして、実際に不動産の持ち主が、複数の人間に対して売渡しを行えば、

刑法上は横領罪という犯罪が成立しかねません。

 

しかし、これはあくまでも刑法上のお話であって、

民法上においては、売主と買主という当事者の間で「売ります」「買います」という

双方の意思が合致しさえすれば、売買の契約は基本的に成立してしまいます。

でも、当事者の間の意思なんてものは目には見えないですので、

他の人の取引の安全を図るために、不動産を買った人は所有権移転の登記をして、

他人の目にも見えるようにしましょうね、という制度、これが登記です。

 

そして、登記は基本的に早い者勝ちの制度ですので、

銀行から融資を受けて不動産を買ったは良いものの、登記をしないでほったらかしにしておいた間に、

売主が別の人と悪知恵を働かせて登記に必要な書類をでっち上げ、先に登記をしてしまえば、

先に買った人も、そこに担保をつけた銀行も、

もはやその不動産に対する権利を他人に主張することができなくなってしまいます。

そうなると経済的には大損失です。


だからこそ、不動産売買の決済が終わると、司法書士はその後大急ぎで法務局に登記の申請を行い

それを銀行に報告する。そこまでが終わってようやく全ての関係者がホッと胸をなでおろすわけです。

 

幸いにして、というべきか、私は(というかおそらく他の知り合いの司法書士も?)

これまでに当日中に登記の申請ができなかった、ということはありませんが、

取引上のイレギュラーなどのいろんな事情が重なってしまい、

法務局が閉庁するギリギリの時間に駆け込んだケースは何度かあります。

はじめてそういうケースにぶち当たったときは、

はっきり言って生きた心地がしませんでしたが、

だんだん場数をこなしていくうちに、「まあ何とかなるか」と妙に冷静に事にあたれるようになっていきます。

慣れとは恐ろしいものです。


さてさて、世間一般の会社は明日で仕事納めのところも多いことでしょう。

私は明後日も明々後日も仕事ですが、まずはあと一日、頑張っていきましょう!

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