皆さん、こんにちは!
CFP・税理士の白根壽晴です。

「タワーマンションを駅前に見かけない中核都市は国内にほとんどない」
といっても過言ではないほど、全国の中規模以上の都市の駅前風景になりました。

先日も、広島駅前に大手不動産会社が建築した超高層マンションが
存在感を誇示するかのようにそびえ立っていました。
新幹線ホームから直線で数百メートルの距離ですから、
価格次第で地元の居住希望者や全国の投資家に人気を呼んだのではないでしょうか?

ニュース報道では、全国で建築される16階以上の高層マンションは
年間100棟以上になるとのことですから、
いわゆるタワーマンション(タワマン)が目につくのも道理です。

そのタワマンを使った相続の節税対策が国税当局の関心を呼んで封じ手が検討されました。

平成29年度の税制改正では、第一弾として固定資産税の課税強化が盛り込まれました。
これまでは、タワマンの各部屋の固定資産税は、要約すれば
一棟全体の固定資産税を各部屋の面積で案分する方法で課税されてきました。
この場合、眺望の良さが実際の売買価格に影響を及ぼすはずの
低層階と高層階の税負担に差はありませんでした。

しかし、これから建築されて平成30年以降に引渡されるタワマンからは、
高層階の固定資産税負担は増税され、
一方で低層階の税負担はこれまでより軽減されることになります。

これだけでもタワマンの購入を検討する際の材料の一つになりますが、
気がかりは、このような課税方法の変更が相続財産の評価方法に導入されるかどうかです。
おそらく近いうちに第二弾として、
この問題が税制改革の俎上に上るだろうと考える専門家が多いと思います。

そこで、これからは実勢価格と相続財産評価額との差額を利用する節税対策において、
高層階の眺望の良さなどを相続財産評価に反映させる方向で改正がされるものと
覚悟しておく必要があると思います。

それでは「もうタワマン節税は無力か」とはなりません。

基本的に現金・預貯金などが残高で評価されるのに対して、
タワマンを構成する土地は路線価方式による評価額、建物は固定資産税評価額になり、
実勢価格に対して大幅な評価減額ができることに変化はないからです。

本当にタワマンを含めた不動産取得が節税効果を失うのは、
路線価方式や固定資産税方式の評価方式が見直される時になるはずです。

ここまで踏み込んで改正を行うにはかなり多くの時間をかけた議論が必要ですから、
簡単にはできないでしょう。

 
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