東急不動産と、同社子会社で研究開発を担う東急不動産R&Dセンター(R&Dセンター)は6月19日、2015年に分譲した集合住宅「ブランズシティ品川勝島」の専有部におけるCO2排出削減効果について、J-クレジット認証を受けたと発表した。

 また、同マンション共用部電力使用に伴うCO2排出量の一部をオフセット(相殺)したことも併せて発表した。

ブランズシティ品川勝島外観      ※プレスリリースより

 2015年10月~2016年9月までの1年間、専有部におけるCO2排出削減効果94トンについてJ-クレジット認証を2017年3月に受けた。

 さらに2017年6月12日付で、この認証されたクレジットを同マンションにおける同期間共用部電力使用に伴うCO2排出量の一部(全体の約2/3)をオフセットした。

ブランズシティ品川勝島におけるCO2排出削減プロジェクトのイメージ     ※プレスリリースより

 そもそもJ-クレジット認証とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによってCO2など温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。

 創出者のメリットとして、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用により、ランニングコストの低減やクリーンエネルギーの導入を図る。設備投資の一部をクレジットの売却益によって補い、投資費用の回収やさらなる省エネ投資に活用できる。温暖化対策に積極的な企業、団体としてPRすることができる、などが挙げられる。

 一方、購入者にとってのメリットとしては、日本各地の森林保全活動や中小企業等の省エネ活動を後押しできる。温対法・省エネ法の報告への活用や、各種企業評価調査等においてクレジット購入をPRすることで企業評価につなげられる。製品・サービスに係るCO2排出量をオフセットすることで、差別化・ブランディングに利用可能などが挙げられる。

 同マンションでは、国土交通省「平成25年度(第2回)住宅・建築物省CO2先導事業」に採択された「東急グループで取り組む省CO2推進プロジェクト」の基幹物件として、次のような取り組みを行ってきた。

・建物外皮断熱性能向上により「低炭素建築物」に認定
・世界初マンション向け燃料電池エネファーム全戸採用

※プレスリリースより

・クラウド型HEMSにより、「エネルギー見える化」を図り、東京都市大学と共同研究でエネルギーとライフスタイル相関を分析
・太陽光発電+定置型蓄電池+EVカーシェアリングを連携するマルチパワコンシステムとMEMSにより共用部電力をデマンドコントロール
・「熱環境改善サポートプログラム」「エコな暮らし塾」などにより、住まい手の省CO2行動を誘発

 同マンションではR&Dセンターを事務局として、「コージェネレーション導入(家庭用燃料電池エネファーム導入)」に基づくCO2排出削減効果をJ-クレジット化するプログラム型プロジェクト「ブランズシティ品川勝島 省エネ・創エネ倶楽部」を運営している。 

 今回、分譲マンション単独としては国内初の「コージェネレーション導入(家庭用燃料電池エネファーム導入)」に基づくJ-クレジット認証を受けた。また「ブランズシティ品川勝島 省エネ・創エネ倶楽部」は、共同住宅単独として国内では初めて登録を行った。

 同社では、これらの結果を入居者専用サイトに掲載、「カーボン・オフセット証書」を発行することで入居者に環境配慮の成果として告知し、日々の暮らしにおける環境配慮へのきっかけ作りを目指すとしている。

 また次年度以降、入居者増加に伴い、CO2排出削減量の大幅な増加が期待されるとし、同社およびR&Dセンターでは、これからも省エネ・健康・快適な生活環境につながる先進的な技術活用や行動普及を通して持続可能な社会づくりに貢献してまいります、としている。 

 
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