2017年も残すところあと10日を切った。天皇陛下退位が決まり、戦争の危惧がリアルな実感として感じられる一年だった。今年は不動産業界でも、様々なニュースや事件が世間を賑わせた。編集部が選んだ2017年不動産業界ニュースをランキング形式で振り返る。まずは10位から6位を紹介する。(リビンマガジン Biz編集部)



(画像=写真AC)

10位 銀座に最大級の商業施設「GINZA SIX」開業


4月、銀座に敷地面積9,077.49㎡、地下6階地上13階の大型商業施設「GINZA SIX」が開業した。施設のコンセプトは「Life At Its Best 〜最高に満たされた暮らし〜」だ。2017年度の目標は、売上高600億円、来場者数2,000万人を掲げている。

施設計画及び運営を担うJ.フロント リテイリングは、2017年3~8月期決算で、GINZA SIXの売上高は600億円、来場者は700万人であることを公表し、好調に進捗していることが分かった。

その要因として、年々増加する訪日外国人をうまく取り込んでいることが挙げられる。

「GINZA SIX」は今年のユーキャン新語流行語大賞にもノミネートされており、その勢いを表している。また、2017年12月には銀座駅を結ぶ地下通路が開通し、さらなる来場者増を望むことができる。

華やかな街、銀座の復権が感じられる話題だった。

関連記事:9位 公示地価、住宅地9年ぶりに上昇


3月に発表された公示地価で、9年ぶりに全国の住宅地がプラスに転じた。上昇率は0.022%と非常にわずかではあるが、明るい話題の一つとして数えられるものだった。

住宅地1万7,909地点のうち、上昇は34%、下落は43%と下落した地点数の方が多い。都心や首都圏の好立地に高い需要があり、郊外や不便な立地の地価は下がるという二極化が全国に広がっている。

関連記事:公示地価全国1位!銀座4丁目の謎

8位 日本初の民間マンション「四谷コーポラス」の建て替え決定


5月、日本初の個人向け民間マンション「四谷コーポラス」の建て替えが決定した。

四谷コーポラスは1956年に完成したマンションで、築60年を超える。

現在、こういった老朽化したマンションの建て替えが問題になっている。2014年時点で建て替えが実施されたマンションは230棟で、全国にあるマンションのわずか0.23%に過ぎない。

ネックになっているのは、「区分所有者の5分の4が必要」といった厳しいマンション規約や、費用負担の問題など様々だ。

四谷コーポラスも、11年間にもわたる長期検討の末、建て替えの決議が行われた。また、建て替えでは戸数を増やし分譲販売することで建て替え費用を捻出する予定になっている。需要を見込める好立地のマンションだからできる芸当だ。

立地に恵まれない老朽化したマンションが今後どうなるのだろうか。法整備などで建て替え・改修を促進する動きもあるが、特効薬は見つかっていない。

関連記事:マンションの建て替えに成功するのは0.23%!?立ちはだかるハードルとは

7位 積水ハウス、地面師被害公表。その額63億円


8月、大手ハウスメーカーである積水ハウスが、63億円もの地面師詐欺被害にあった。詐欺事件として破格のニュースに一般紙も報道するなど、多くの耳目を集めた。不動産市場の活性化にともない、高額な地面師詐欺被害はあとを絶たない。2013年にはアパホテルが12億5,000万円もの地面師被害にあい、今年になり犯人グループが逮捕された。

地面師詐欺は、本人確認資料を偽造し、所有者本人や代理人になりすまし犯行に及ぶため、事後に足取りをつかめないことが多い。

低金利政策や不動産関係への融資額の増加を背景に、今後も地面師詐欺が増加する可能性があるとみられている。


(撮影=リビンマガジン Biz編集部)

関連記事:過去最大級の地面師詐欺事件。積水ハウスも騙された手口とは?

6位 民泊新法成立。施行は2018年6月


6月、民泊新法が成立した。

住宅や、マンションの空き室を宿泊施設にする「民泊」は、ここ数年で大きな市場になっている。あわせて様々なトラブルが起き、犯罪の原因になっているという指摘も増えた。

民泊新法では、「民泊営業を、年間180日に制限」するルールや、民泊事業を始めるにあたり「住宅宿泊事業者」「住宅宿泊管理者」「住宅宿泊仲介者」の3者それぞれに条件や役割を設けることで、住宅宿泊に規制を設けることに焦点があてられた。

12月には、違法民泊に対する罰則を強化する方針が特別国会で固められた。新法の施行は2018年6月に予定されており、厳しい取り締まりを受けることが予想されている。

関連記事:民泊新法を徹底解説①「なぜ、必要なの?」

5位以降はこちら

 
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