相続税対策をしようとして、節税を一番の優先事項でやってしまっているケースがあります。

その結果、どうなるか?争族になり、兄弟姉妹間で骨肉の争いになり、相続税すら払えない状況になってしまいます。

皆さん、学校の道徳の時間で「兄弟間の関係」ってなんて教えられますか?

”平等”ですよね!決して、“兄を優先!”なんて教えられませんよね?

昔は長子もしくは、優秀な男子一人が財産を相続するのが当たり前でした。一族郎党が生き残るための知恵だったのですね!!今は時代が違いますから、当然に兄弟姉妹間で財産分与をみんなが主張してきます。

よっぽど、被相続人が準備をしておかないと、争いごとになるのは、当たり前の時代です。全国的に見て、相続税が掛かる人の割合は約8%と言われていますが、争族になる確率は14%と言われています。

特に相続財産が5000万円以下の相続において、争う確率が高くなっているというデータが残っています。

現代において相続税対策をする上で最も高い優先順位の高いものは、「家族円満のためにどうのように相続財産を分割するか!?」を決めることです。

事前に家族間の関係を考慮しながら、遺言書を残しておくことも大切なアプローチになります。

2番目に相続税対策にとって重要な優先順位はなんでしょうか?節税でしょうか?

まだ、節税ではないですね!!2番目は納税資金の準備です。

日本人の資産家に多いパターンは、不動産はもっているが、流動性の高い現金等が少ないというものです。いざ、相続になり、換金性の低い不動産ばかりだと、遺産分割協議書でもめたり、

土地測量図作成時の隣地境界線でトラブルがあったりすると10か月以内の相続税申告時までに納税ができずに、減税の特例が使えなくなったり、高い延滞税を支払わなくならなくなったりして

、非常に損失が大きくなることがあります。これらを考慮すると事前に相続税の納税資金を準備しておくことが重要なわけがお分かり頂けると思います。

3番目の相続対策の優先順位でようやく、節税が来るのです。

節税も相続税だけでなく、消費税、固定資産税、所得税、不動産取得税なども考慮してスキームを組むことが重要です。また、節税だからといって、資産価値の低い不動産を借金をして購入するのは、

後日、しっぺ返しが来るので、その辺もプロのアドバイスを聞きながら、慎重に進める必要があります。

大前提として、0番目の相続税対策があります。現状分析です。いったい、今、どれだけの財産があり、相続税評価額はいくらで、借金はいくらあり、相続人は何人いて、相続税はどれくらいかかるのか?

実は、ここをきっちり調査しないと、相続税対策はできません。当たり前のことですが、ここを押さえずに闇雲に相続税対策をしている方も見受けます。

もう一度、相続税対策の優先順位復習ですが、

0番目 現状分析

1番目 「家族円満のためにどうのように相続財産を分割するか!?」

2番目 納税資金の準備

3番目 節税

是非、この順番を考えながら、相続税対策を練って下さい。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ