引っ越しシーズンも終盤に差し掛かった、今日この頃。
この春に引っ越しをした人は、隣近所にどんな人が住んでいるか気になりはしないだろうか。

そんな時、ご近所さんの顔を知る便利な風習がある。引っ越しそばだ。

知っていそうで知らない、引っ越しそばについて調べた。


みなさん、引っ越しそばはご存じだろうか?

「もちろん知ってるよ!」も「初めて聞いた」も
いろいろ声はあると思うが、実は正しく引っ越しそばを理解している人は少ない。

引っ越しそばは、近所に引っ越してきた挨拶として
向こう三軒、両隣にそばを配ることだ。

リサーチ会社のマクロミルが行ったアンケートでは、
正しく理解している人は全体の27%しかいないという。

約半数の49%が引っ越し先でそばを食べることだと勘違いしていた。

そして、残りの23%は引っ越しそばのことを、知らなかった。
4分の3の人が誤解するか、知らないということだ。

「そば・うどん百味百題」(日本麺類業団体連合会編・柴田書店発行)によると、
引っ越しそばは江戸時代中期から広まった風習で、江戸を中心に行われてきたことだという。

引っ越しのそばの起源

なぜ、そばを配るようになったのか。

元々は、米と小豆を炊き込んだおかゆを配っていたのが始まりらしい。
しかし、当時、小豆は高価な代物だったので、安上がりなそばに代わっていったという。
経済的な事情だけでなく、すぐそばに越してきたことに引っ掛けて
「おそばに末永く」「細く長くお付き合いをよろしく」といったシャレも込められている。

大阪やその他の街にはなく、江戸だけの風習となった。
大阪では、そばよりもうどんが食べられていて、シャレも掛けられないので広まらなかったのだろう。

しかし、大正から昭和初期頃には、生のそばを配ることは少なくなっていたらしい。
代わりに配っていたのが、各そば屋が発行する「そば切手」だ。

そば切手は発行したそば屋に持っていけば、券と引き換えにそばが食べられるもので、
商品券のようなものだったと思われる。

たしかに、いつでも使えるそば切手のほうがもらう側にとっては便利だ。

このそば切手はかなり普及していたようで、当時の新聞に関連する話題がたくさんでている。

間違って郵便切手をもらいソバ屋で恥をかいた士族の話しや、
強欲な家主がそば切手の代わりに現金を要求するといった話題がたびたび記事になっている。

また選挙の際に、選挙区内で事務所を移転して、
引っ越しのたびにそば切手を配り、買収まがいのことをした立候補者もいたという。

昭和8年3月16日の読売新聞が、
「淀橋区の某候補の如きは戸別訪問の新戦術として区内の
各選挙事務所を片っ端から転々として移転、その度に付近一帯に引っ越しそばを配っているが
その裏には買収の疑いもあって戸塚署でも取り締まりに悩まされている。」
と書いている。

話題にはこと欠かなかったが、戦後になると急速に引っ越しそばや、そば切手の記事はなくなっている。
戦後の食糧難で、そばを配るのにも貧窮したからなのか、調べてみたがよくわからなかった。
とにかくそばの代わりに、タオルや洗剤など、日用品を配るようになったことは間違いない。

引っ越しそばは、廃れてしまったのだ。

引っ越しそば復活を考える

そばに関する風習で現在でも廃れていないものがある。年越しそばである。
年越しそばは、いまも企業が宣伝を行っているため多くの人が知っているし、
実際に大晦日のそば屋は毎年にぎわっている。

そば屋にとって、年末は書き入れ時なのだ。

さらに、引っ越しそばを復活させると引っ越しシーズンも書き入れ時になる。

そこで、引っ越しそばを盛り上げるキャンペーンを編集部で考えてみた。

●HKS(引っ越しそば)48オーディション開催!
全員がそば屋の看板娘。歌って踊れるそば屋
→実際にご当地アイドルとかで居そう

●引っ越しそば~オカンとボクと、時々、オトン~映画化
オカンとボクと、時々、オトンが引っ越しそばを配りに回る映画
→全米が泣いた感動巨編です

●とりあえず石原さとみに食わせる
人気だから売れるだろうと安易なキャンペーン
→これが一番人気でそう

●ラブコメ風
新学期始め、遅刻で急いでいると、曲がり角で、引っ越しそばを食べている女の子とぶつかる。
実はその女の子は転校生だった。
→制服ビショビショです

興味のあるそば屋さんが居たら連絡はお待ちしておりません。止めてください。

 
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