不動産業界人のふところ事情(1)

仕事に誇りはあるけれど、先立つものがなければ心細い。
やっぱり気になるは、あの会社のポケットの中身。
不動産業界で働く人たちのふところ事情について聞きました。

アパート建築が好調

 まさに我が世の春だ。相続税制の改正や金融緩和などの追い風を受け、アパート建築が好調で建築各社は最高益を更新し続けている。

 建築会社の社内ではアパート建築部門の社員が稼ぎ頭として肩で風を切って歩いているなんて声も聞こえてくる。気になる土地活用営業(トチカツ)社員の懐事情を探った。

 全国規模で展開する大手アパート建築会社Aでは、最大で建築受注金額の6%が歩合給で支払われる。同社の木造アパート1棟当たりの売り上げは、平均8000万円ともいわれるため、営業社員は480万円もの歩合給を手にする計算になる。サラリーマンの平均年収を1つの契約で稼ぐことになる。大型の物件になればもっと多いケースもありうる。

 多額の報酬の代わりに厳しいノルマがあり、3か月間受注が取れないと雇用契約を打ち切られてしまうという評判だ。逆に考えれば、3か月に1度は480万円の歩合給を稼ぐことになる。

「実際には契約条件などによって(歩合給を)満額もらえることは少ないです。ただ、1000万円以上は余裕で稼いでいますね」と大手建築会社の地方支店に勤める社員は語る。この地方支店は人口20万人ほどの街が拠点だ。周辺には1000万円以上稼げるような仕事はほとんどない。さらに、営業社員は未経験でも年齢制限なく中途入社できるため、稼ぎたい人間が集まっているらしい。

堅実社員が生き残る

 ただ前述のとおり、業務は非常に大変で、営業先となる地主の都合にあわせて動くため休みも不規則になりがち。案件が多いトップ営業社員になると、休みはあってないようなものだという。そのため、稼いで派手に使う時間もないという声が多く。

 そういった社員は「家庭のある、地味で堅実な人が多い」らしく、稼いだ金の使い道は「子どもが多いので養育費に…」「借金があるので、返済に充てます…」と地味な話のオンパレード。豪快にクルマや時計などを購入する夢(?)のある話は皆無だ。

 そこで、豪快な買い物話を探したところ、一つだけありました。前述とは別の大手建築会社Bの管理部門勤務の社員によると「土地活用営業で金を稼いで、現金でマイホームを購入した人がいた」という。金額にして推定4000万円!うーん。金額は豪快なのだが…

 どうやら不動産オーナーの資産管理をになう土地活用営業は、がっちり、堅実な人が向いているようだ。

 
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