2017年09月07日
LGBT不動産の社中日誌 須藤あきひろ

LGBTsの「終の住処」の選択肢

LGBT不動産の社中日誌 須藤あきひろ

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LGBTのライフプランニング・サポートを手がけ、自身もゲイであるIRIS須藤あきひろ代表に、不動産や住宅の現場で感じる問題点を紹介いただきます。(スマイスターMagaZine編集部)





先日、友人4人と食事をしている際に老後の話になりました。この年になってくると、親族や地元の友人たちが結婚したり、子供を産んだりする人たちが増え、自分達も将来のことを漠然と考えることが増えてきました。
そこで盛り上がったのが「一生賃貸物件に住むのかor家を購入するのか」です。
結果としては、4人中3人が「購入できるなら購入したい」という意見でした。



(画像=写真AC)


購入派の意見

<メリット>

①ローンが完済すれば自分の資産になる
②戸建購入の場合は自由設計が増えているため、自分の好きな間取りに住める
③パートナーと気兼ねなく生活ができる
<デメリット>
①購入時や維持していく上で税金が発生する
②近所付き合いが面倒かもしれない


賃貸派の意見

<メリット>

①自身のライフスタイルに合わせて融通がきく
②居住する上で税金は発生しない(住民税除く)
③住宅ローンによる破綻リスクはない

<デメリット>

①同性カップルでの申し込みは審査が通りづらい
②一生賃料を支払い続けないといけない

それぞれにメリット・デメリットがありますが、結局のところは自身の価値観によるので必ず「正しい」というものではありません。友人達の話を聞いていて「なんとなくみんな将来に漠然と不安を抱えているんだな」と思いました。

また、大前提としてLGBTsが家を契約するとき、
購入の場合、「住宅ローンがパートナーと連名では契約できない
賃貸の場合、「部屋探しをする際に仲介不動産会社に相談しづらい(パートナーとの関係性や自身の見た目と戸籍上の不一致がある場合の説明、理解等)
といった問題があります。


ちなみに私は購入派です。
理由は、将来安心できるからです。
というのも「自分が高齢者になったときに賃料を支払い続けることができるのか?」とか「自分が高齢者になったときにパートナーと一緒に住める賃貸物件を見つけられるのか?」などと不安があるからです。

ストレートの人達の場合は、奥さんや子供など資産を「遺す人」がいると思います。しかし、私を含むLGBTsの場合は極論「遺す人」はいないと思います。
もちろん、パートナーに多少の金額は残したいと思うでしょうけど、あくまでも自分の葬式代や多少の生活費といった最低限で十分だと思ってます。

なので、「家を買いたい」と思うのは「資産を遺すため」ではなくて「自分の終の住処を確保しておきたい」という気持ちからです。


マイノリティーに優しくない住宅ローン問題



(画像=写真AC)


これまで、住宅ローンは法的に家族と認められていないと連名で利用することはできませんでした。

通常、男女の夫婦の場合だと収入合算やペアローンを利用できるのにLGBTsカップルの場合は利用できず、収入の高い方が単独で住宅ローンを利用し実際にはパートナーと返済していくという方法しかありませんでした。
しかしこれには大きなリスクがあります。
①一人の収入での審査となるため希望借入額が借りれらず、希望する物件を購入できない可能性がある
②購入名義人が死亡した場合は、パートナーには相続する権利がないため、家を追い出される可能性がある

こういったリスクに対して、もちろん色んな準備してリスクヘッジをすることはできます。しかし、そもそも同性カップルが連名で住宅ローンを利用できないということが、あまりには残念なことです。

ですが、ようやく日本でも新しい取り組みが始まりました。
2017年7月6日にみずほ銀行は住宅ローンの商品改定を行い、
家族ペア返済や収入合算における配偶者の定義に同性パートナーを含める」とプレスリリースを出しました。


この取り組みは邦銀初の取り組みとなり、我々LGBTsにも希望が見えてきたなと感じています。
この対応は素晴らしいです!!
ですが、住宅ローンを利用できるのは「渋谷区が発行するパートナーシップ証明書の写しを
提出できる場合」と限定されています。
また、他の銀行やフラット35などの機構は様子見をしている状況なので、依然として住宅ローンの選択肢は狭いため、今後も課題は残ります。

もっと日本の社会、不動産業界にLGBTsを含めたマイノリティーに対しての理解が進み、賃貸・購入ともに選択肢の幅が広がることを強く望みます。


次回は「カップルに好まれる間取」について書いていきます!


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