2017年01月20日
髙原 誠

法定相続と相続の承認・放棄の話

髙原 誠

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相続財産の分配はどのように?




民法の規定によれば、遺言等による被相続人の特別な意志が確認できない限り、相続財産は法定相続人に、その法定相続分に応じて分配されます。

被相続人に配偶者がいた場合、配偶者はいつも法定相続人になります。ここでいう配偶者とは、「正式に婚姻届を提出している夫又は妻」を指し、「内縁関係、事実婚の夫や妻」を含みません。

配偶者以外の血族相続人(血のつながりのある相続人)については、 ①直系卑属(子や孫)、②直系尊属(父母や祖父母)、③兄弟姉妹の順で相続人になることができ、上位者がいる場合には、下位者は相続人になることができません。

たとえば、被相続人に妻と子ども3人がいた場合には、その遺産分配は、第1順位の妻が全体の2分の1、残りの2分の1を子ども3人で均等に分け、子ども一人当たりの割合は6分の1となります。また、血族相続人の順位が下がれば下がるほど、配偶者の相続分が多くなります。

遺言がある場合は、基本的には遺言に従って分配が行われますが、相続人全員の合意があれば、必ずしも遺言通りでなくても構いません。また、たとえ遺言に、被相続人の意志として「特定の誰かに全財産を譲る」旨が記載されていたとしても、法定相続人である配偶者や子どもには「遺留分」として、それぞれの法定相続分の2分の1を受け取る権利があります(被相続人の親(直系尊属)については3分の1の遺留分)。

その遺留分を請求することを「遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)」といいます。期間は、相続の開始及び減殺すべき(自分の遺留分を侵害するような)贈与又は遺贈があったことを知った日から1年以内で、相続開始から10年を過ぎると時効となります。

ちなみに、被相続人の生前に相続権を放棄させることはできませんが、遺留分の放棄については手続きすることができます。




借金って財産なの!?


相続財産には、被相続人名義の土地や建物・預貯金といった資産のみならず、被相続人名義の借金や未払金といった負債も含まれます。つまり、被相続人の財産を継ぐということは、被相続人の借金も継ぐということです。

ところで、相続における意思表示には3種類があります。1つ目は「単純承認」で、これは、何らの条件もつけずに相続を受け入れるというものです。「単純承認」には特別な手続きは必要なく、さらに「法定単純承認」という制度に基づき、何もしなくても、相続開始を知ったときから3か月を経過すると、自動的に「単純承認」したものと見なされます。

単純承認によって、相続人は、被相続人の資産と負債の一切を承継します。先述のように、相続財産が借金しかないという場合にも、そのまま受け継ぐことになるので、その場合には注意しなければなりません。

2つ目は「相続放棄」で、相続財産を受け継ぐ権利そのものを放棄するものであり、被相続人の財産における負債が、資産を上回ることが明らかな場合等に選択されます。この場合、資産も負債も相続しません。

そして3つ目が「限定承認」で、相続財産のうち負債を先に返済し、それでも資産が余った場合に相続するという条件をつけるものであり、被相続人の財産中に借金はあるけれども、その額がわからない場合等に選択されます。

「相続放棄」「限定承認」は、相続開始を知った日から3か月以内に、家庭裁判所において手続きをしなくてはなりません。また、「相続放棄」は一人でも手続きをすることができますが、「限定承認」は相続人全員の同意が必要であり、相続人中の一人でも「単純承認」する者がいると、申述することができません。

いずれの選択にしろ、「単純承認」以外は、限られた期間内に家庭裁判所で手続きすることが必要になります。事業を営んでいた親が多額の負債を残して亡くなった場合などは、とくに注意が必要です。



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